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「今まで野性的と言われてきたけど…」37歳となった川内優輝は、科学の力でさらなる進化を追い求める
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph byShiro Miyake
posted2024/09/26 11:30
睡眠時間を何より重視すると語った川内優輝
睡眠時間を削るなら、他の部分を削る
37歳になった川内に、第一線で長く競技を続けられる理由を尋ねると、「今怪我しているので、あまり説得力がないですけど……(笑)」と前置きした上で、こう答えてくれた。
「“やらされている”わけではなくて、自分自身が走りたいから走っている。それが一番。そういう気持ちを持っているから長く続けてこられたと思います」
かつて公務員ランナーとして、限られた時間の中で走り続けた、川内ならではの実感が籠もっている。
それともう一つ。「“練習”と“栄養”と“睡眠”と“ケア”がうまく噛み合っていた」ことを挙げてくれた。そのなかでも特に重要視してきたのが睡眠だ。
公務員時代から変わらず、睡眠時間は1日7時間30分は確保するように努め、なるべく日付が変わる前に床に就くように意識している。
「睡眠時間が短いと、イライラしたり、頭が回らなくなってパフォーマンスが落ちたり、本当に悪いことばかりが目立ちます。人間にとって睡眠は絶対に必要なこと。市民ランナーには、寝る時間を削ってまで走ったり筋トレしたりする人もいますが、私の場合は睡眠時間を削るなら、他の部分を削るようにしていました。“寝溜め”って意味がないとも言われますが、やむを得ず睡眠時間が短かった時は、違う日に多く寝るようにしていました。それぐらい睡眠を重視していました」
レース前は、目標とするレースのスタート時間から逆算し、就寝、起床時間を決めて、それに合わせた生活を送る。例えば、2019年のドーハ世界選手権はスタート時刻が23時59分だったため、その前は完全に昼夜逆転生活を送っていたという。
また、海外遠征時(特にヨーロッパ方面)には、夜行便を選ぶようにし、飛行機に搭乗したらすぐにアイマスクと耳栓をして眠るようにしている。これが川内流の時差調整法だ。
これほど睡眠を重視してきたのに、寝具に無頓着だったというのは意外だった。
「今まで私は“野性的”と言われてきて、プロになってからは、科学的トレーニングが加わり、少しずついろんなことをアップデートしてきました。そこに、今回、新たに寝具が加わりました」
怪我の功名というべきか、[エアーSX]マットレスに出会い、新たな気づきを得られた。また一つアップデートを重ねた川内は、さらにどんな進化を見せるのか――。
川内 優輝
1987年3月5日生、東京都出身。学習院大学卒業後、埼玉県庁に入庁し、市民ランナーとして活躍。過去に4度の世界選手権に出場。'19年4月にプロに転向。マラソンの自己ベストは'21年に記録した2時間7分27秒。175cm、62kg。
川内優輝選手が使用するnishikawaのスリープギア
[エアーSX]マットレス
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