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九州でバレー、バスケ、サッカーのトップカテゴリーのチームが全部あるのは佐賀だけ。SAGAアリーナとともにスポーツ大国へ。
text by
大橋裕之Hiroyuki Ohashi
photograph byKeiji Ishikawa
posted2024/09/26 12:00
「佐賀の象徴」「アリーナが自分たちを鼓舞している」
――トップレベルのアスリート同士です。何か聞いてみたいことはありますか。
荒木 試合前に緊張してミスを考えちゃうのですが、そんなことありますか。
角田 めちゃくちゃ考えます。でも、ボールを触り始めたら落ち着きますよ。荒木選手は、試合前に決まったことされますか?
荒木 試合前は、開始時間にかかわらず5時半起きです。体幹などのトレーニングを1時間ぐらいかけてやっています。
角田 起きるのが早くないですか!?
荒木 そうだと思います(笑)。Bリーグの試合の日の朝はどうされていますか?
角田 ホームだったら、9時半ごろに起きて、11時から始まるシューティングに合わせてアリーナへ行きます。だから、その時間にまず起きないので、驚きました。
――そんな中で、お二人とも昨シーズンはSAGAアリーナで戦いました。
角田 ここがホームになり、ファンの声援は力になりますし、アウェーに行ってもあまり緊張しません。こっちは“SAGAアリーナだから”という気持ちがあり、ほかの選手からも「アリーナあるね」と言われます。もう佐賀の象徴だと感じています。
荒木 私もファンの方々に支えられていると改めて実感できました。アリーナが自分たちを鼓舞しているように思っています。
角田 客席は傾斜があるので、チームカラーのTシャツを着た方で埋まると青い壁のようです。昨シーズンは平均約5000人、最高で8600人ぐらいの方に来ていただいたので、今シーズンはもっと頑張りたいです。あと控え室が充実したので、試合前の気分が良いですよ。
荒木 私も控え室は、ドラマで見たような作りで、テンションが上がりました。あと、バルーナーズの試合をエンド側から見たとき、観客席からフロアに引き込まれる感覚があって、すごかったです!
――SAGAアリーナのほかに、佐賀の魅力は何だと思いますか。
角田 人当たりが良い人が多いと思います。どこに行っても、いろんな方から声を掛けてもらえます。
荒木 私もチームの拠点が神戸から鳥栖に移って、買い物中に「荒木さんですか?」と声を掛けてもらう機会が増えました。ファンの方との距離は近いと思います。
――いよいよ秋から新シーズンが始まります。意気込みをいただけますか。
角田 まずスタートダッシュを切りたいです。新加入の金丸(晃輔)選手というBリーグでも強力なシューターを活かしつつ、昨シーズン以上の成績を残すために選手たち一人ひとりが成長したいと思います。
荒木 私は代表活動を経験し、スプリングスのみんなにバレーへの向き合い方をより深く変えて欲しいと思うようになりました。練習に対するマインドや、勝ちへのこだわり。一人ひとりの意識の変化が、初年度の大同生命SVリーグの順位につながると思います。私はそのきっかけになれるよう、チームを引き上げる働きかけをしたいです。初代チャンピオンになるチャンスがあるので、強い気持ちで挑みます。
――最後に、佐賀は国スポ・全障スポもあります。スポーツで佐賀の未来を創る一員として、思いを聞かせて下さい。
角田 僕らがB1という高いレベルでの戦いを見せ続けられれば、佐賀のスポーツのレベルが上がると思います。「SAGAアリーナで試合がしたい」「バルーナーズの一員として戦いたい」と思ってもらえるようなクラブになっていきたいです。
荒木 佐賀県にはバレー、バスケ、サッカー(サガン鳥栖)のプロチームがあります。トップリーグで戦うプロスポーツが街を盛り上げると思うので、私たちも県民の皆さんの力を借りながら頑張っていきます。
荒木 彩花Ayaka Araki
2001年9月2日生、福岡県出身。東九州龍谷高時にはインターハイ優勝、国体準優勝。'20年4月に久光スプリングスに加入。'22-'23シーズンではブロック賞、スパイク賞、ベスト6を受賞。'23年日本代表に選出。パリ五輪は全3試合に出場。
【SAGAアリーナでの初戦】
vs岡山シーガルズ 11月16日(土)14:05~
角田 太輝Taiki Sumida
1999年9月28日生、佐賀県出身。佐賀北高から白鴎大に進み、インカレで日本一に。2021-'22シーズンから特別指定選手として佐賀バルーナーズに加入。'22-'23シーズンではB1昇格に貢献。昨季の総出場時間はチーム最多の1833分55秒。
【SAGAアリーナでの初戦】
vs千葉ジェッツ 10月23日(水)19:05~