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九州でバレー、バスケ、サッカーのトップカテゴリーのチームが全部あるのは佐賀だけ。SAGAアリーナとともにスポーツ大国へ。
posted2024/09/26 12:00
text by
大橋裕之Hiroyuki Ohashi
photograph by
Keiji Ishikawa
初のB1を戦った角田太輝と、パリ五輪に出場した荒木彩花が初対面。SAGAアリーナを起点にバスケとバレー選手が自らの競技や、街の未来を創る思いを語った。
――お互いのチームに、どんな印象をお持ちですか。
荒木 私は一度試合に行って、ファンの方との一体感がすごく印象的でした。楽しそうなチームだなと思っています。
――SNSで、バルたん(バルーナーズ公式マスコット)との写真を拝見しました。
荒木 バルたんがかわいいなと思って、写真を撮ったんですよ(笑)。
角田 珍しい(笑)。バルたんがかわいいなんて。僕はまだ試合を観に行けていませんが、SNSを通じて応援のスタイルが違うのを見て、バスケとまた違う雰囲気を感じています。今季は観に行ければ良いな。
――自分の競技ならどのポジションが合うかイメージが湧きますか。
荒木 プレーを観て視野が広いと感じたので、角田選手はセッターが合うと思います。セッターはブロックを見てトスを上げますが、バスケでもディフェンスを見てプレーすると思うので、バレーで私が絶対に欲しいときにトスを上げてくれそうです!
角田 責任重大ですね! 僕は、パワーフォワードが荒木選手に合うと思います。バレーではセッターとの合わせや攻撃のおとりにもなるミドルブロッカーですよね。オールラウンドなプレーが求められる点は、似ているなと。バスケは他に観ますか?
荒木 パリ五輪で日本の男子バスケを観て、チームのみんなと盛り上がりました。
角田 そのパリ五輪に日本代表として出場されましたが、戦ってみてどうでしたか。
荒木 世界の壁が高く、自分の力を出しきれずに終わりました。でも、成長できる課題も見つかり、この経験を4年後のロサンゼルスオリンピックにつなげたいです。男子バスケの活躍はどうでしたか。
角田 日本の力を証明してくれて嬉しかったです。3連敗でしたが、特に強豪フランスをあと一歩のところまで追い詰めました。Bリーグの選手もいて、それぐらい力のあるリーグで僕もプレーしていると、改めて実感しています。
――角田選手は昨シーズン、チーム初のB1で西地区5位、29勝31敗の結果でした。
角田 あと少し粘っていれば、もう少し勝ち星を積み上げて、チャンピオンシップに行く可能性があったと思いました。ただ、その少しの差が大きかった。B1昇格チームとして初年度の歴代最多勝利数の結果を残せたことよりも、悔しい気持ちです。
――荒木選手は、けがから復帰してパリオリンピックにつながるシーズンでした。
荒木 けがに苦しみました。去年足首のけがをして、年明け最初の試合で復帰したのですが、その試合で手のけがをして。気持ちが、落ちるところまで落ちました。
ただ、リハビリ期間中も日本代表へ招集していただけて、自分に期待してもらえていると再確認できました。眞鍋政義・代表監督のおかげで、気持ちを入れ直すことができて、パリまでに復活できたと思います。
――監督の存在ですね。角田選手にとって宮永(雄太)HC兼GMはどうですか?
角田 宮永さんからは、大学4年生の時、いち早くオファーをいただき、地元だったので即決をしました。B2時代から試合に出させてもらい、昨シーズンも一試合平均30分以上任せてもらえて、とても感謝しています。ただ少し疲れました(笑)。
荒木 !(笑)
角田 若さゆえの期待だと感じています。