巨人軍と落合博満の3年間BACK NUMBER

「失礼な話だよ」落合博満42歳が巨人フロントにキレた「落合はおしゃべりが過ぎた」ナベツネは猛反撃…落合が拒否した巨人“残留オファー案” 

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中溝康隆

中溝康隆Yasutaka Nakamizo

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posted2024/06/09 11:02

「失礼な話だよ」落合博満42歳が巨人フロントにキレた「落合はおしゃべりが過ぎた」ナベツネは猛反撃…落合が拒否した巨人“残留オファー案”<Number Web> photograph by KYODO

1996年11月14日、「失礼な話だ」巨人の対応について怒った落合博満(当時42歳)。世田谷区の自宅前で

「落合はおしゃべりが過ぎた。清原問題を利用しようとする発言はいかん。若い選手をダシに使っちゃいかんよ。フロントのクビを飛ばすとか、よけいなお世話。俺が決めることだ。取り消してもらわんといかん。俺は2回も電話して、礼をつくした。それが今日に至るまでひとことも返事がないんだ。礼儀正しい態度じゃない。俺は球団にコーチ兼任がいいと勧めたんだが、本人がイヤといったらしかたない」(週刊現代1996年12月14日号)

「長嶋さんは知っていたんですか?」

 これまでOBたちの批判にさらされるオレ流をことあるごとに擁護してきた渡邉も、組織のトップとして、ひとりの選手にフロント幹部を無能と言われたからには黙っているわけにはいかなかったのだろう。落合にも渡邉にもそれぞれ守るべきメンツがあった。結局、落合問題の最終判断は長嶋監督に委ねられる形となり、11月26日と27日に都内のホテルで、極秘の直接会談が行われる。27日には長嶋邸から囮のベンツを走らせ、マスコミ各社約20台のハイヤーをそちらに誘導させる徹底ぶりだった。

「会談の中身については詳しくは言えないけど、まず、俺の方から今回の経緯や俺が知っているフロントの動きについて話した。で、こういうことを知っていたんですかって聞いた。俺が知りたかったのはそこだからね。そうしたら、長嶋監督は知らなかった。『長嶋監督もフロントとグルだった』と言う人もいるけど、あの時の長嶋さんの反応からすると、それは違うと思ったよ、俺は」(不敗人生 43歳からの挑戦/落合博満・鈴木洋史/小学館)

 だが、長嶋監督から「残ってくれ」という言葉はなく、遠回しだが言いにくそうに「来年は控え」ということを伝えてきたという。落合は自ら身を引くことを決め、他球団が獲得しやすい自由契約にして欲しいと頼み、長嶋監督もそれを了承する。最後はホテルの部屋で男ふたり、寿司をつまんで別れた。

<続く>

#44に続く
「落合博満は巨人軍に捨てられたのか」落合が否定した「巨人退団会見で涙」報道…清原FA騒動、なぜ43歳落合博満は現役引退を選ばなかった?

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