Sports Graphic NumberBACK NUMBER

日本人フットボーラーが欧州最高峰の舞台へ…久保建英がPSG、冨安健洋がポルト、鎌田大地がバイエルンと激突するCLラウンド16の行方は?

posted2024/02/12 11:00

 
日本人フットボーラーが欧州最高峰の舞台へ…久保建英がPSG、冨安健洋がポルト、鎌田大地がバイエルンと激突するCLラウンド16の行方は?<Number Web> photograph by AFLO

レアル・ソシエダの攻撃の中心を担う久保建英(左)とアーセナルで定位置確保を目指す冨安健洋

text by

井川洋一

井川洋一Yoichi Igawa

PROFILE

photograph by

AFLO

 アジアカップやアフリカ・ネーションズカップといった代表のメジャートーナメントが終わったばかりだが、欧州クラブフットボール戦線はここから佳境に突入していく。今週、チャンピオンズリーグのラウンド16とヨーロッパリーグの16強入りをかけたプレーオフが始まるのだ。そしてこのクラブレベルのトップコンペティションに、日本人選手がまだ何人も生き残っている。

 日本時間2月15日早朝に先陣を切りそうなのは、レアル・ソシエダの久保建英だ。対戦相手は、久保がつい最近までアジアカップを戦っていたカタールの政府系ファンドが保有するパリ・サンジェルマン。グループステージを首位通過したソシエダにとって、2位で突破したなかでもっとも困難な相手を引き当ててしまった格好だ。大手ブックメーカーの勝敗予想でも、パリを優勢と見る向きが圧倒的に多い。

 チーム状態を比べても、久保が所属するスペイン勢の方が苦しい。多くの主力選手が負傷離脱した影響もあり、今年に入ってからラ・リーガで1勝3分1敗と振るわない。さらに本稿執筆時の直近2月3日のジローナとのリーグ戦で、復帰したばかりのアルバロ・オドリオソラと冬に新加入したシェラルド・ベッカー、そして主将のミケル・オヤルサバルが故障。ゴールレスドローで終わった試合後、イマノル・アルグアシル監督はアジアカップ準々決勝で敗退した日本代表の久保と、アフリカ・ネーションズカップ準々決勝で敗れ去ったマリ代表のアマリ・トラオレについて、「幸いにも彼らが戻ってくる。もしチャーター機が必要なら、用意するよ」と話して喜んだ。

 それでも、厳しい戦いになるのは間違いない。パリは今季から指揮を執るルイス・エンリケ監督のもと、国内で盤石の強さを誇り、リーグ・アンのここ15試合で12勝3分。11月には南野拓実が先発したモナコを相手に5得点を奪って圧勝するなど、キリアン・エムバペ、ゴンサロ・ラモス、ウスマヌ・デンベレ、ランダル・コロ・ミュアニ、マルコ・アセンシオら、豪華な前線は破壊力満点だ。ストライカーの決定力に欠けるソシエダからすれば、このうちのひとりでも欲しいところだろう。

 ソシエダが勝機を見出すには、リーグ戦ここ3試合とチャンピオンズリーグ・グループDの4試合で無失点を遂げた堅守が拠りどころとなるか。攻撃の絶対軸である久保も、アジアカップの悔しさをここで晴らしたいはずだ。

アジアカップに招集されなかった鎌田は…

 同日の同時刻には、鎌田大地の所属するラツィオとバイエルン・ミュンヘンの一戦も予定されているが、この27歳の日本人選手に出番はないかもしれない。今季から加入したラツィオで出場機会が限られていることもあり、鎌田はアジアカップに招集されなかった。ここでクラブでの活動に専念し、マウリツィオ・サッリ監督の哲学を深く知る良い機会になるかとも思われたが、皮肉にもここまでの大会期間中に行われた全公式戦4試合を、すべてベンチに座ったまま過ごした。1月10日のローマとのコッパ・イタリアを含めると5試合連続出場なしとなり、その3日前のウディネーゼ・カルチョとのセリエAには先発したものの、ハーフタイムに交代させられている。リーグ戦ここ7試合で4勝1分2敗というチームの状態を考慮しても、この試合でいきなり序列が変わるとは想像しにくい。現地情報によると、クラブの会長は鎌田をサポートしているようだが、現場の頑固な指揮官は常に自らの信念に従うタイプだ。

【次ページ】 冨安の対戦相手にはイラン代表が

1 2 NEXT

ページトップ