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《シックス・ネーションズ開幕!》プライドを懸けた伝統のラグビー欧州6カ国対抗戦で3年後に向けた手応えをいち早く掴むのはどこだ?

posted2024/01/31 12:00

 
《シックス・ネーションズ開幕!》プライドを懸けた伝統のラグビー欧州6カ国対抗戦で3年後に向けた手応えをいち早く掴むのはどこだ?<Number Web> photograph by Getty Images/AFLO

伝統国の新たな主将に就任したピーター・オマホニー(アイルランド)、グレゴリー・アルドリット(フランス)、ジェイミー・ジョージ(イングランド)

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 ラグビーワールドカップ・フランス大会が終わり、2024年に入って世界のラグビー界は新しい動きを見せている。

 日本ではエディー・ジョーンズ氏が二度目となるヘッドコーチ(HC)に就任し、「超速ラグビー」というコンセプトを掲げる。

 そしてヨーロッパでは2月2日(現地時間)から伝統のシックス・ネーションズが開幕する。

連覇を目指すアイルランド

 昨季、シックス・ネーションズで全勝の「グランドスラム」を達成したアイルランドは、W杯の準々決勝ではニュージーランドに惜敗した。24対28と1トライで逆転できる試合の最終盤、アイルランドは37フェイズに及ぶアタックを見せたが勝利には届かなかった。

 しかし、この試合は紛れもない名勝負で、アンディ・ファレルHCへの信頼は絶大だ。「代表でプレーすることに喜びとユーモアをもたらした」と評価されるファレルHCは、今回のシックス・ネーションズでは招集メンバーに大きな変更は加えなかった。ただし、長年にわたって主将を務めてきたスタンドオフのジョニー・セクストンが現役から引退したため、今回からFW第三列のピーター・オマホニーが主将を務める。

 今回のシックス・ネーションズでも本命視されているが、開幕節の2月2日(現地時間)にマルセイユへと遠征し、フランスと対戦する。

 いきなりの大一番、アイルランドはどんな戦いを見せるだろうか。

W杯の雪辱に燃えるフランス

 アイルランドを迎え撃つフランスは、W杯では準々決勝で敗退。ホスト国として優勝を狙っていただけに、選手たち、ファンの失望は計り知れないものがあった。フランスが敗れたあと、現地で購入した新聞では「涙、涙……」、「これ以上の失意はあるだろうか?」といった見出しが躍っていたことが思い出される。

 フランスは、世界最高のスクラムハーフと評価され、主将としてもチームを牽引してきたアントワーヌ・デュポンがパリ・オリンピックの7人制ラグビーに集中するため、今回のシックス・ネーションズを辞退。デュポンに代わって新しい主将に指名されたのは、ナンバーエイトのグレゴリー・アルドリットだ。

 デュポンは離脱するものの、W杯の主力選手のほとんどが残っており、頑健なFWと、スペクタクルなアタックを披露するBKは健在。開幕節のアイルランド戦で両国の現在地が明らかになるだろう。

大きくメンバーが入れ替わるイングランド

 アイルランド、フランスにどれだけ対抗できるかが注目されているのが、W杯では日本代表も対戦したイングランドだ。2015年のW杯で日本代表のFWコーチを務めたスティーヴ・ボーズウィックHCが続投となったが、主力選手が代表活動から退くなどして、メンバーが大幅に入れ替わりそうだ。

 まず、主将を務めていたオーウェン・ファレルが「精神的な健康」を優先させるとして、代表活動を辞退(その後、フランスのクラブへ移籍)。

 ファレルだけではなく、W杯の日本戦でトライを挙げたコートニー・ロウズ、ジョニー・メイ、ベン・ヤングスといったベテランは代表活動からの引退を表明、さらには主力選手たちがフランスのクラブへの移籍の可能性を探っているとされ、代表活動への影響が懸念されている。

 先行きが不透明ななか、新しく主将に任命されたのは33歳のフッカー、ジェイミー・ジョージ。若い選手も多く、彼のリーダーシップが重要になるだろう。

 イングランドは、6月22日に日本代表と国立競技場でテストマッチが予定されている。日本代表のエディー・ジョーンズHCは2022年までイングランドの指揮を執っていたこともあり、因縁の対決となる。6月の試合を予想する上でも、シックス・ネーションズでのイングランドのチーム作りに注目したい。

【次ページ】 チームの若返りを図るウェールズ

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