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青学大「一色(恭志)とその他」の“狭間世代”が箱根駅伝3連覇&三冠を達成するまで…主将が明かす快挙の舞台裏「このままだと、お前邪魔だ」
posted2024/01/02 18:20
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Nanae Suzuki
史上6校目の箱根駅伝3連覇と青学史上初の三冠を成し遂げた2017年の青山学院大学。山の神・神野大地らの最強世代が卒業し、当初は個々の力で劣る狭間の世代と考えられていた。快挙の舞台裏を当時の4年生たちが語る。
発売中のNumber1087・1088号掲載の[超特殊区間6区の謎]館澤亨次/舟津彰馬/小野田勇次「箱根の山下りに神はいるか」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文はNumberPREMIERにてお読みいただけます】
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「一色(恭志)とその他」と言われて
「君ら4年生、だらしないぞ!」
青山学院大学・原晋監督の怒号が響いた。
原監督は、「学生スポーツは4年生が引っ張って成り立つ」「主将は競技で引っ張るもの」という考えを持っていた。
そのどちらも実現できていない4年生の代表として、主将の安藤悠哉は監督の怒りの矢面に立っていた。
「2013年入学の僕らの代は、1年の時から『一色(恭志)とその他』と言われてたんです。期待されていないというか、呆れられていた。4年になっても一色以外に顔が立つタレントがいない上に、自分も含めて故障者が増えてチームを引っ張れない。監督が言うほどだらけてはいなかったと思いますが、結果を出すこと、突き抜けることができていなかったのは確かです」
当時の青学大は、神野大地、久保田和真、小椋裕介ら最強世代が箱根連覇を置き土産に卒業。安藤らに引き継がれたが、彼らとの比較で下に見られることが多かった。
安藤と同期の池田生成も最強世代と自分たちの雰囲気の違いは感じていた。
「上の代はストイックに勝つことにこだわっていました。でも、自分たちの代は全員が『がっちり勝っていこう!』というキャラではなく、ちょっとマイルドなやつもいる。田村(和希)や下田(裕太)といった1つ下の代は神野さんたちと同じ雰囲気があって、すでに『主軸は俺たちなんだ』みたいな意識を持っていました。だから我々が狭間だったんですね(笑)」
「目標が高いよ」「いや三冠でしょ」
新チームの目標を決める際、「三冠」を掲げるのに反対したのが誰あろう池田だった。