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AMI AC SHARKSはなぜ注目されない中距離で、BROOKSと組んで世界に挑むことを決めたのか?

posted2023/11/16 11:00

 
AMI AC SHARKSはなぜ注目されない中距離で、BROOKSと組んで世界に挑むことを決めたのか?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

AMI AC SHARKSのメンバー。左からグエム・アブラハム、楠康成、飯島陸斗

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Takuya Sugiyama

 BROOKSとAMI AC SHARKSがタッグを組み、中距離界に波を起こそうとしている。

 BROOKSは、1914年アメリカで生まれたランニング専門の老舗ブランドだ。SHARKSは、阿見アスリートクラブが母体となって生まれた中距離専門のクラブチームである。

 出会いは、2020年だった。

 楠康成が主宰し、キャプテンを務めるSHARKSに新たに飯島陸斗、グエム・アブラハムが加入したが、主たる活動費がなかった。いろんな企業にサポートを打診した中、楠の思いに共感してくれたのがBROOKSだった。

 楠は、語る。

「僕らは、活動費を得て、中距離を盛り上げていきたい。マラソンと駅伝で陸上界は十分みたいなところがある中、あえて中距離に突っ込んで勝負しようとしていました。BROOKSは他メーカーのシューズが日本での多くのシェアを占める中、あえて日本のシューズ業界で勝負しようとしていました。そういうBROOKSの姿勢って格好いいなって思いましたし、中距離の育成、発展に対して同じ熱量で取り組めるんじゃないかと思い、一緒に活動させていただくことになりました」

巨象を倒したかった

 大学も実業団もトラックシーズンは個人種目に注力するが、メインは箱根駅伝やニューイヤー駅伝であり、マラソンだ。中距離は田中希実や三浦龍司が出てきて注目を浴びつつあるが、普及や理解が進んでいるかというと、ようやく夜明けを迎えたというところだろう。

「実業団では中距離は縮小傾向にあって、自分の強化に繋がらないというのが僕の経験からの印象でした。だったら自分たちで活動費を獲得したり、TWOLAPSのように企業を巻き込んで一緒にやろうというチームがあってもいい。東京五輪で田中選手、三浦選手というスターが生まれて、ようやく光が見えてきた中、自分たちも彼らに負けない活躍をすることで中距離をやりたい、見たいと思ってもらえるようにしたい。それが僕らの大きなモチベーションになっています」

 BROOKSと契約した頃、楠たちが主戦場とするトラックではワンメーカーの独占状態だった。だが、楠たちが誰もが欲しがるシューズから離れ、BROOKSを履いたのは、「巨大な象を倒す」という気概と自分たちのシューズに対する信頼があったからだ。

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