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優勝請負人と評される、村山紘太と小野知大。陸上界の“ファーストペンギン”になりうるか

posted2023/10/26 11:00

 
優勝請負人と評される、村山紘太と小野知大。陸上界の“ファーストペンギン”になりうるか<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

左から村山紘太、小野知大

text by

田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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photograph by

Yuki Suenaga

「この間のレースはどうだった?」「うまく走れましたが、まだまだ課題があります!」

 埼玉県東松山市。村山紘太と小野知大が、GMОインターネットグループ(以下、GMО)陸上部のクラブハウスに向かう。

 気心が知れているのは、チームメイトとしてニューイヤー駅伝制覇を目指していることだけが理由ではない。両者には名門実業団チーム出身という共通要素もある。村山はリオ五輪代表や1万mの元日本記録保持者、そしてニューイヤー駅伝優勝という実績を引っ提げて2021年にGMОに入社。小野は同じくニューイヤー駅伝制覇の実績を買われ、今年4月に名を連ねた。

 名門と目されるチームを離れて新天地に活路を求める。この決断は大きな話題を集めたが、迷いは一切なかった。

村山「今しかない」小野「世界と戦える選手に」

「GMOは設立されたときから注目していました。昔ながらの伝統や古い常識にとらわれず、陸上界に新風を吹き込もうとしていることはすぐにわかりましたから。

 GMОには個人的にも惹かれましたね。当時の僕はマラソンでさらに結果を出したいと思っていたんですが、自らに迷いが生じていました。逆にGMОの選手は驚くほどレベルアップしている。ならば自分も同じようになれるのではないかと。『もう、今しかない』という想いで入社を決めたのを覚えています」(村山)

「GMOの話は村山選手から詳しく聞きましたが、動機は似ていますね。僕は駅伝を足がかりにマラソンでも勝負していきたい。いずれは村山選手のように、日本代表として世界と戦える選手になりたいんです。

 そのためには自由な発想で、新しいメニューにも積極的に挑戦していかなければならない。特に昨年は大迫傑選手がチームに参画したので、将来に向けて貴重な経験ができるチャンスだと思ったんです」(小野)

【次ページ】 GMOの考え方が反映されたチームの雰囲気

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