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[地元出身のBリーガーが語る]B1昇格はSAGAアリーナの後押しがあったからこそ。

posted2023/09/07 11:30

 
[地元出身のBリーガーが語る]B1昇格はSAGAアリーナの後押しがあったからこそ。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

大橋裕之

大橋裕之Hiroyuki Ohashi

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Takuya Sugiyama

今年の5月にオープンした新時代のエンタメアリーナ「SAGAアリーナ」。ここを本拠地とする佐賀バルーナーズの角田太輝がその魅力を語る。

「佐賀駅に人が増えたと思いました」――佐賀北高校出身で、B.LEAGUEの佐賀バルーナーズに所属する角田太輝は、街が活気づく様子を感じている。昨春まで大学時代を栃木県で過ごし、プロとして4年ぶりに帰ってきた佐賀駅には、今年4月に商業施設・サガハツが開業。駅の北口を出ると、サンライズストリートと呼ばれる通りに佐賀バルーナーズやV.LEAGUEの久光スプリングスのタペストリーが掲げられている。

 この道を徒歩で15分ほどたどると、両チームの本拠地SAGAアリーナが目に飛び込んでくる。SAGA2024(国スポ・全障スポ)、さらにその先の佐賀の未来を見据えて整備を進めてきたSAGAサンライズパークの中核施設として、今年5月にオープンした。周辺にはSAGAアクア(水泳場)やSAGAスタジアム(陸上競技場)、SAGAプラザ(総合体育館)、さらに「ランニングループ」や「パークテラス」も加わり、さまざまな楽しみ方ができる空間となっている。アクセスも良好で、佐賀駅から徒歩や路線バスのほか、福岡天神のバスターミナルから高速バスも運行されている。

 このアリーナの建設計画を角田が知ったのは大学生の頃、佐賀バルーナーズからオファーをもらったときだったという。「席数が約8400席と聞いて、そんなに大きいのかと思いました(笑)」と驚きもあった。完成後、初のアリーナ練習の時は気持ちも高ぶったそうだ。「いつも練習をする体育館と照明の当たり方が違い、そこに立っているだけで自分が主人公になった気分になりました」と、角田は思い出す。

レイアウトを変えればライブ・コンサート会場にも

 4階建てのメインアリーナは最大勾配35度のすり鉢状で、どの客席からもアスリートやアーティストを間近に感じることができる。センタービジョン、リボンビジョン、壁面ビジョンという3つの大型ビジョンを国内で初めて標準装備して、迫力ある映像と光の演出も可能にしている。

 レイアウトを変えれば、バスケやバレーの会場のほか、展示会や学会などのMICE、ライブ・コンサート会場にもなる。既に多数の有名アーティストが利用しており、角田も「NiziUのライブに行きたかったんです(笑)」と気になっているスポットだ。

 また、客席のバリエーションも多彩だ。車イス席やカップル席、ボックス席のほか、テーブル付きのファミリー・グループ席や4階にマス席もある。さらに、前の座席との間隔をゆったりと開けたハイスタンダード席は快適だ。席を離れる時、同じ列のお客さんに膝がぶつかりそうになる場面も減るだろう。

 アリーナの3階に目を向けると、スポーツホスピタリティを追求したプレミアムフロアも充実している。県産木材の香りが漂うインテリアを採用したプレミアムラウンジや、複数のプレミアムスイートルームも完備。名産品・鍋島緞通の敷物を取り入れた部屋や、佐賀北高校出身の書家・書作家である江島史織さんが揮毫(きごう)した書が展示された部屋など、随所に佐賀を感じられる。

【次ページ】 角田が挙げるアリーナの2つの魅力

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