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「3年後は自分が世界一になる」フィギュアスケーター・鍵山優真がトレーナー・淺井利彰、スポーツ栄養士・吉本寛那と思い描くブレない未来
posted2023/03/09 11:00

2021年夏から鍵山優真を支える「森永製菓inトレーニングラボ」パフォーマンススペシャリスト・淺井利彰(右)とニュートリションスペシャリスト・吉本寛那(左)
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Takuya Sugiyama
2021-2022シーズン、その輝きはひときわ光彩を放った。初めて出場した冬の祭典・北京大会で銀メダル、2度目の出場となった世界選手権でも銀メダル。鍵山優真は、世界トップスケーターの一人であることを証明してみせた。
その支えとなったのが「森永製菓inトレーニングラボ」のパフォーマンススペシャリスト淺井利彰氏とニュートリションスペシャリスト吉本寛那氏であった。主に淺井氏にトレーニングやコンディションの面、吉本氏に栄養面のサポートを受けるようになったのは2021年夏のこと。
「中学生くらいから自立してスケートのためにいろいろ取り組むことができるようになったと思います。ただ、自分の知識だけではその先まで行けないんじゃないかという思いがありました」(鍵山)
淺井氏、吉本氏は鍵山をどう見たか
2人は競技と鍵山の特徴をつかみつつサポートにあたった。淺井氏は言う。
「本番まで半年ほどと時間がない中、コンディションをいかに常に良い状態におくかを意識しつつ、ジャンプでもスピンでもバランスが大切なので、特に体幹の安定を図ることを心がけました」
吉本氏は食の嗜好を知り改善を試みた。
「コンディションや食事をとる時間帯に合わせた食材や調理法の選び方などを伝えました。気になったのは室内競技なので(日光でも生成される)ビタミンD不足と、早朝練習前の食事量が少ないことによるエネルギー不足です。食事をとりにくい時間帯にどうしたら必要なエネルギー量や栄養素がとれるかアドバイスしました」
鍵山は2人から受けたサポートを振り返りながらこう語る。
「朝、十分な力を出すための食生活に変わったし、栄養について学べました。それまでもバランスは悪くなかったと思います。でももっと細かな部分に気づけたし、食に限らず8時間の睡眠時間を心がけるなどして疲労回復も早くなりました」