第99回箱根駅伝(2023)BACK NUMBER

「あの選手は何区を走るのか」当日のメンバー変更発表まで目が離せない〈第99回箱根駅伝〉の展望

posted2022/12/31 10:00

 
「あの選手は何区を走るのか」当日のメンバー変更発表まで目が離せない〈第99回箱根駅伝〉の展望<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

第99回箱根駅伝は2023年1月2日午前8時スタート。総合優勝の栄誉を手にするチームは果たして――

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

 1月2日、3日。

 箱根駅伝が行われる両日の天気予報は晴れ。気温が低すぎることもなさそうで、気象条件に恵まれ、素晴らしいレースが期待できそうだ。毎回恒例、12月29日には各チームの区間エントリーが発表になった。ここでは注目ポイントについて見ていきたい。

1.中央大学の吉居大和は、何区を走るのか?

 往路注目のひとつは、前回大会で1区の区間新記録をマークした中央大学の吉居大和(3年)がどの区間を走るかということだ。

 前回、吉居の走りは衝撃的だった。最初の5キロを14分7秒でカバーすると、5.6キロ過ぎには集団を置き去りにして、単独走に持ち込んだ。それ以降は後続に影さえ踏ませぬ快走で、1時間0分40秒の大記録をマークした。果たして、今回も吉居は1区を走るのか? 中大の藤原正和監督は悪戯っぽくこう話す。

「吉居は1区から3区まで、どこでも走る可能性があります。どの区間を走るのか、他の大学の監督さんには十分に悩んでいただいて(笑)。他校に考えさせること自体が中央にとってのアドバンテージになると思いますし、吉居の能力を発揮できる区間はどこなのか、しっかり見極めていきたいと思います」

 吉居は前々回の大会では3区を走っており、1区か3区が有力視される。今回、もしも吉居が1区で来ると読んだ他校の監督は、実力者を1区に配置し、吉居の動きに対応させようとするはずだ。そうすると、序盤から高速ペースの展開となり、1区からバラけた展開になるだろう。

 吉居が3区の場合は、1区はある程度落ちついた展開となり、18キロ辺りの六郷橋からの駆け引きになるのではないか。つまり、吉居の存在が勝負の流れに大きく影響するのだ。果たして、吉居はどの区間を走るのか? 往路スタート前のメンバー変更に注目したい。

【次ページ】 2. 駒澤大学・田澤廉と青山学院大学・近藤幸太郎の並走は見られるのか?

1 2 3 NEXT

ページトップ