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女子アスリート特集の裏で「なんか嫌だねって」“野球界のアイドル”と呼ばれた片岡安祐美(36歳)の本音「プレーを見てほしかった」―2022下半期 BEST5

posted2023/01/04 06:02

 
女子アスリート特集の裏で「なんか嫌だねって」“野球界のアイドル”と呼ばれた片岡安祐美(36歳)の本音「プレーを見てほしかった」―2022下半期 BEST5<Number Web> photograph by Asami Enomoto

「野球界のアイドル」と呼ばれ人気を博した片岡安祐美さん。その裏で、本人には様々な思いがあったという

text by

小泉なつみ

小泉なつみNatsumi Koizumi

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photograph by

Asami Enomoto

2022年の下半期(対象:9月~12月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第3位は、こちら!(初公開日 2022年9月17日/肩書などはすべて当時)。

2022年6月、第一子を出産した片岡安祐美さん。小学生の頃から野球を始め、現在は茨城ゴールデンゴールズの監督を務める彼女に、萩本欽一さんとの秘話や、「野球界のアイドル」とメディアで取り上げられた当時の複雑な心境などについて聞いた(全3回の特別インタビュー3回目/#1#2からの続き)。

24歳での監督就任は「悪夢のはじまり」

――24歳のとき、萩本欽一さんの指名を受けて茨城ゴールデンゴールズの監督に就任されたんですよね。本当に突然の打診だったそうで。

片岡安祐美さん(以降、片岡) 打診というか、「記者にもう言っちゃったから」といきなり言われて。これが悪夢のはじまりです(笑)。

――それはどういう意味ですか。

片岡 でーんと構えて、何があっても顔色ひとつ変えない。そんなプロ野球の監督たちが自分の“監督像”でした。でも、コーチ経験すらない20代前半の自分がそんな風になれるわけもなく、選手とコミュニケーションをとることすらうまくできない。監督就任後すぐに自律神経失調症になり、うつ病一歩手前まで追い込まれました。

 実は欽督(萩本さんの監督時の呼び名)から監督の話があったとき、「選手から可愛がられる監督になりなさい」とアドバイスされていたんです。欽督の言った「可愛がられる監督」とは、「みんなに助けてもらえる監督」という意味だったんだと気づいたのは、その後優勝する年になってからでした。

 結局、チームのみんなに今の状況を洗いざらい話して助けてほしいとお願いしたら、「このチームは安祐美のチーム。安祐美がやりたいようにやればいい」「みんなで協力して乗り越えよう」と言ってもらえました。

「女子野球界のパイオニア」と呼ばれて…

――そもそも、高校在学中に萩本欽一さんから直接スカウトされて茨城ゴールデンゴールズに入団されたんですよね。やっぱり欽ちゃんはすごいですか。

片岡 もう全部、なにもかも見抜いてますよね。最初に会ったときは、「こんな目を見たのはキムタク以来だ!」と言われました(笑)。昔はたしかによくいろんな人から「目がキラキラしてる」と言われたんですけど、最近全然言われてないですね(笑)。

――入団当時、片岡さんのことをたくさんメディアで目にしたのを覚えています。取材攻勢もすごかったのでは。

片岡 高校の卒業式にもメディアがたくさん来たおかげで、卒アルに友だちからメッセージを書いてもらう時間がなくなってしまって。空白の多いアルバムを見るといまだに複雑な気持ちになります。

「女の子」が野球をしているというだけでメディアに取り上げられて、「女子野球界のパイオニア」と呼ばれたりする。好きなことをただ続けてきただけなんですけどね。

【次ページ】 “美女アスリート企画”の裏で…「なんか嫌だね」

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