第99回箱根駅伝(2023)BACK NUMBER

上位4校が全日本大学駅伝の大会新記録を樹立 ハイレベルな高速レース必至の〈第99回箱根駅伝〉を制す大学はどこか

posted2022/11/21 10:00

 
上位4校が全日本大学駅伝の大会新記録を樹立 ハイレベルな高速レース必至の〈第99回箱根駅伝〉を制す大学はどこか<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

出雲駅伝に続き、全日本大学駅伝でも快走を見せた佐藤圭汰(右)

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

PROFILE

photograph by

Nanae Suzuki

 めったに聞かない広島弁が飛び出すあたり、悔しさは相当なものだったのだろう。全日本大学駅伝が駒澤大学の連覇で幕を閉じ、閉会式が行われる会場近くで囲み取材が始まった際のひとこまである。青山学院大学の原晋監督が、声のトーンを上げてこう述べた。

「フラれて腹が立つのと同じで、負けると腹立つけぇね。また勝ちにいきたいと、だんだん思うようになってきた。今回は本気で(優勝を)狙っとっただけに腹立ってきてね」

 ライバルチームの監督にそう言わしめ、「駅伝」という名の仁義なき戦いの主役に躍り出たのは駒大である。10月の出雲駅伝に続き、全日本大学駅伝でも大会記録を上回るタイムで優勝。残す箱根駅伝を含めた大学駅伝三冠に王手をかけ、過去何度も跳ね返されてきた偉業達成に向けて着々と戦力を整えつつある。今シーズンの駒大の強さとはいったいどの辺りにあるのか。

青学大「すぐに結果が出ないことにも我慢」

 レースを振り返ると、幸先の良いスタートを切ったのはむしろ青学大の方だった。1区の目片将大(4年)が序盤から果敢に飛びだし、最後は大東文化大学の留学生にかわされるも2位でたすきをつないだ。誤算だったのは2区の白石光星(2年)で、区間16位と大きくつまずく。その後は実力のある上級生が盛り返し、7区を終えた時点で2位まで順位を上げたことを思えば、この区間のブレーキが痛かった。原監督が残念そうに話す。

「白石は練習は完璧だったんです。ただ、状態が良かったゆえに体が軽くて、そこでちょっと調整ミスをしてしまった。今、うちは自ら立つ自立から、自らを律する自律に移行している最中で、大会前の調整も選手自身に任せてます。監督が一から十まで指示をするというのは、指示待ち集団を作るような気がしてね。その過渡期にあるので、すぐに結果が出ないことにも我慢しないといけないですね」

 レースを戦いながら、いかに選手を育成していくか。難しい課題だが、長期的な視点でチーム強化を考えたとき、どこかで我慢しながらでもしっかりと新戦力を育てていかなければならないのだろう。

【次ページ】 駒大は学生駅伝初出場の2人が台頭

1 2 3 NEXT

ページトップ