第99回箱根駅伝(2023)BACK NUMBER

三冠を目指す駒澤大学が出雲駅伝を完勝で制す 〈第99回箱根駅伝〉で追う立場になった有力校の監督の声

posted2022/11/16 10:00

 
三冠を目指す駒澤大学が出雲駅伝を完勝で制す 〈第99回箱根駅伝〉で追う立場になった有力校の監督の声<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

力強くフィニッシュテープに向かう鈴木芽吹

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小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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Nanae Suzuki

 大会後のセレモニーで、笑顔でいられるのは勝者ゆえの特権だろう。

 学生三大駅伝の初戦となった出雲駅伝を“完勝”といえる内容で制したのが駒澤大学だった。全6区間で区間2位以内をキープし、大会新記録となる2時間8分32秒で優勝。9年ぶり4度目の栄冠を手にし、大八木弘明監督も「大会新は狙い通り。目標の(大学駅伝)三冠に向けて前に進めたね」と上機嫌だった。大会前には、青山学院大学や順天堂大学などライバル校も三冠宣言をしていたが、明暗がくっきりと分かれた格好だ。

 春のトラックシーズン、その後の夏合宿を経て、いざ駅伝を戦ってみるとタイムだけでは計れない実力差が浮き彫りになる。はたして、出雲駅伝で各大学の指揮官はどんな手応えを得たのか。

 あの日の監督の表情から、チーム戦力を推察してみたい。

青学大「駅伝力が足りない……」

 試合後、もっとも意気消沈して見えたのは青学大の原晋監督だった。青学大は3区でエースの近藤幸太郎(4年)が踏ん張り、前半3区間を終えて2位と良い滑り出しを見せたが、後半3区間で足並みが乱れ、終わってみれば総合4位と見せ場を作れなかった。監督が嘆いたのは、走った選手たちの戦う姿勢だった。

「向かい風の中でも激しく前を追っていくとか、もっと攻めるレースをしてほしかったですね。駅伝力が足りないというか、やんちゃな選手を育てていかないといけないと思いました」

 今年の出雲駅伝は終始強い西風が吹きつけた。とくに後半区間を走った選手にとっては向かい風となり、体重の軽い選手にとっては難しい条件だっただろう。ただし、そんな悪条件下でも駒大のルーキー佐藤圭汰はスタートから臆することなく飛ばし、2区で従来の記録を20秒も更新する快走を見せた。続く3区の田澤廉(4年)も1週間前に感染症胃腸炎にかかり、体調が思わしくなかったにもかかわらず、あえてエース区間の3区を志願して、青学大の近藤に1秒先着している。

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