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競泳・池江璃花子が「自分の理想の泳ぎから9割くらいズレている」と感じる中でも自分らしくいられる理由

posted2022/11/17 06:00

 
競泳・池江璃花子が「自分の理想の泳ぎから9割くらいズレている」と感じる中でも自分らしくいられる理由<Number Web> photograph by AFLO

来春には大学卒業を控え、さらなる飛躍が期待される池江璃花子

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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病から奇跡的な復活を遂げてからも激動の日々を過ごしてきた彼女に、今とこれからを聞いた。

 池江璃花子は何事にもこだわらない性格なのだという。ゲンを担ぐようなこともしなければ、座右の銘も特に持たない。

「なので、憧れの人は? とか、好きな言葉は? と聞かれてもいつも困っちゃうんです。洗濯物の干し方、畳み方ぐらいですかね、こだわっていることと言えば(笑)」

 お母さんが畳んでくれた洋服をわざわざ広げて自分のやり方で畳み直すというぐらいだから、実はやっぱり結構なこだわり派? 次なる大舞台を見据えて練習を続ける現在、スイマーとしての池江に何かこだわりはないのだろうか。

「とにかく今は自信をつけることです」

 と彼女は答えた。

「パワーや技術よりも、自信をつける練習が必要だと思っているんです。自信があれば試合前のメンタルが全然変わってくる。レースで前半から積極的に行けるかどうかの大きな違いが出てきますからね」

「昔の自分と比べちゃうから……」

 白血病から奇跡の復活を遂げて東京の舞台に立った2021年に比べれば、今年はなかなか思い通りにはいかないシーズンだった。世界選手権を懸けた3月の選考会は、出場3種目でいずれも派遣標準記録を突破できずに悔し涙。4月の日本選手権では3種目で復帰後自己ベストを出すなど「多少は自信を取り戻せた」と思っていたら、楽しみにしていた国際大会はコロナ禍によって延期となってしまった。

 目先の結果にこだわらず強化できる時期、と割り切れば決して悪いことばかりではない。ただし、日々の練習でもまだ歯車が噛み合ってこないもどかしさがあるという。

「自信って、練習で『今日もよくできた』というのを積み重ねた先に生まれてくるものなんです。でも病気して復帰してから『今日はダメだった』『今日もダメだった』と思うことがすごく多くなりました。本当は頑張っているし、もっと自信を持ってもいいはずなのに昔の自分と比べちゃうから満足できないんです」

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