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“日本陸上界最速”山縣亮太と“競泳メドレー2冠”大橋悠依がお互いに感じた競技者としての共通点、そして次の目標とは?《スペシャル対談》

posted2022/11/18 10:30

 
“日本陸上界最速”山縣亮太と“競泳メドレー2冠”大橋悠依がお互いに感じた競技者としての共通点、そして次の目標とは?《スペシャル対談》<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

初対談が実現した山縣亮太と大橋悠依はTeam Seiko特別仕様のスーツとプロスペックスを着用

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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Takuya Sugiyama

時を刻むという、ごまかしの利かない領域で勝負するアスリート2人が、初対談を通じて“共鳴”した。

陸上男子100mの日本記録保持者で、リオデジャネイロ大会男子4×100mリレーの銀メダリストでもある山縣亮太と、昨夏、東京大会で競泳女子個人メドレー2冠に輝いた大橋悠依。「Team Seiko」のトップアスリート同士の対談が実現。

――お二人はこれまで直接の面識はあまりなかったとお聞きしますが、お互いの印象はどんな感じでしたか?

山縣 一方的ですけど大橋さんのことはすごく知っていましたよ。(男子100mの)桐生(祥秀)くんが滋賀県出身で、確か同郷で大学も同じですよね。気さくな人なんだろうなという印象を持っていました。

大橋 私も一方的に知っていました。桐生くんのライバルであり、一緒にリレーを走っている、走るのがすごく速い人という印象です。

――山縣さんは陸上男子100mの日本記録「9秒95」をお持ちで、ロンドン大会とリオデジャネイロ大会で自己ベストを記録する勝負強さもあります。勝負強さの理由はどんなところにあるのでしょう。

山縣 運もありますが、スタートラインに立った時に吹っ切れているかどうかという精神面の部分は大きかったと思います。ロンドンでは本番の前日までレースパターンをどうするかを悩んで、でも最終的には「このパターンで自分はやるんだ」ということを決めて臨みました。大橋さんはどうでしたか?

大橋 私も山縣さんと似ていますね。タイムは自己ベストではなかったですが、「最後は全部の力を出し切ったと言えるように、終わろう」と思えたのが良かったですし、運も良かったなと思っています。

山縣 運というのはどういうところ?

大橋 コースです。私はプールを正面にして右側が好きなのですが、水泳では奇数の順位で残ると右側のコースになるんです。私は400mの予選が3着、200mは準決勝が5着で、決勝では2種目とも右側に入れました。ラッキーだな、なんか行けそうだなと思いましたね。

山縣 確かに右のコースに行くのは運だよね。自分でコントロールできないから。

大橋 他の選手の順位も関係しますからね。陸上ではコースの好き嫌いなどはありますか。

山縣 1レーンや8レーンは視界のバランスが悪いので嫌ですが、それ以外はあまり気にならないですね。それと、9秒95の日本新を出した時は、追い風2.0mという運がありました。陸上はトラックの質もあるし風向きもあるし、タイムに関して言うと運は本当に大きいです。ただ、追い風2mという公認ギリギリの風が吹いた時に9秒95で走れる身体ではありました。

――大橋さんは東京大会の時、直前の不調から劇的に調子を回復して2冠を達成しました。本番直前に気持ちが吹っ切れる前はどのような心理状況だったのですか。

【次ページ】 大橋「(東京では)自分をすごく信じていました」

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