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中田英寿45歳は今の森保ジャパンをどう見ている? あのブラジル戦後の本音「意志を持った選手がいないとどうにもならない、限界がある」―2022上半期 BEST5

posted2022/09/23 06:02

 
中田英寿45歳は今の森保ジャパンをどう見ている? あのブラジル戦後の本音「意志を持った選手がいないとどうにもならない、限界がある」―2022上半期 BEST5<Number Web> photograph by Tsukuru Asada

今年6月の日本対ブラジル戦後にインタビューに応えた中田英寿

text by

金子達仁

金子達仁Tatsuhito Kaneko

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Tsukuru Asada

2022年の上半期(対象:4月~8月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。Number部門の第5位は、こちら!(初公開日 2022年7月7日/肩書などはすべて当時)。

 2002年日韓ワールドカップから20年――。あれ以来、日本サッカーは変わったのか? 変われなかったのか? トルシエジャパンの選手らの証言で振り返ったNumber1054号「日韓W杯 20年後の告白」(発売中)で、特集の巻頭記事は当時の日本代表の中心だった中田英寿「勝ったから、ではない満足感」、大トリがJリーグチェアマンだった川淵三郎「日本が20年でできたこと、できなかったこと」だ。
 2人にインタビューをし、記事を執筆したのが90年代からNumberのサッカー特集に寄稿し続ける金子達仁だ。ベルマーレ平塚時代から取材を重ねる中田、面識はあるものの、意外にも初インタビューだという川淵。金子が感じ取った2人の言葉の共通点とは? そして彼らが日本人に求めるものとは?

 考えろ、考えろ。

 6月6日、国立競技場でブラジルと戦う日本代表の後輩を見ながら、中田英寿の胸中にあったのは、きっと、そんな思いだったのではないか。10数年ぶりになるNumber本誌でのインタビューを終えて、そんな気がしてきている。

 長い付き合いでおぼろげながらわかってきたことがあるとすれば、彼は、物事を将棋のように考える、ということだ。

 目的は何か。王を取ること。では、王を取るためにどうするべきか。目的から逆算して、手段を考える。言い方を変えれば、目的のない手段を嫌う。

 一流とされる将棋の棋士は、100手先まで読むことが可能だという。彼らが指す一手一手には、すべて、目的につながる意味がある。

 そんな人たちからすれば、素人の指す将棋は、「なぜ?」でしかないだろう。なぜそんな手を? なぜ考えない?

 ゲームをコントロールしようとしている選手が少ない、とブラジル戦を見た中田は言った。分厚いオブラートにくるんだような表現だったが、要は、意図の感じられるプレーが少ない、意味のないプレーが多すぎる、ということだったのだろう。

「ボールが来たからこうします、じゃなくて、こうしたいからこうしますっていうのをやってる選手が、あの試合の日本に関しては、あまりいなかったと思う。もちろん個人の技術は大事。チームとしての戦術も大事。監督選びだって大事でしょう。でも、そもそも意志を持った選手、意志を持ったチームを作らない限り、作ろうとしない限り、どうにもならないというか、限界があるのがサッカーっていうスポーツだと思う」

 極端かつありえないたとえをするならば、わたしの将棋を見た藤井聡太の気分に近いかもしれない。

川淵三郎vs.「知の巨人」

 考えろ、考えろ。

 日本サッカー界の後輩たちに対する川淵三郎の言葉も、ざっくりまとめてしまえばそういうことだった。

【次ページ】 よくあんな凄いヒトにケンカ売ったと思うよ

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