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「社会人野球の打診をカープが断った」19年前の広島ドラ1捕手・白濱裕太…18年間で一軍出場わずか86試合なのに、なぜ“戦力外”にならない?―2022上半期 BEST5

posted2022/09/19 06:01

 
「社会人野球の打診をカープが断った」19年前の広島ドラ1捕手・白濱裕太…18年間で一軍出場わずか86試合なのに、なぜ“戦力外”にならない?―2022上半期 BEST5<Number Web> photograph by KYODO

今年でプロ19年目になった広島の捕手・白濱裕太(36歳)。写真は2011年、プロ初安打となるサヨナラ打を放ち、ナインに祝福される場面

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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KYODO

2022年の上半期(対象:4月~8月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。プロ野球部門の第4位は、こちら!(初公開日 2022年7月1日/肩書などはすべて当時)。 

 広島カープ、2003年のドラフト1位、捕手・白濱裕太(36歳)。今年でプロ19年目を迎えるが、一軍での出場は通算で86試合。特に2015年以降は数えるほどしか一軍でプレーしていない。それでもなぜ広島は白濱を手放さないのか? カープOB、高校時代の恩師に話を聞いた。

◆◆◆

 毎朝、スポーツ紙を開くと、ペナントレースの勝った負けたより、アマチュア野球やファームの記事のほうが先に気になるほうだ。

 その朝も、イースタン・リーグ、ウエスタン・リーグの結果を眺めていたら、広島カープの出場メンバーの中に、「捕・白濱」という文字を見つけて、ん……と思った。

 広島の白濱って、まだいたんだ……(失礼!)。

 広島カープ、捕手・白濱裕太。

 広陵高時代、その後巨人で奮投することになる西村健太朗投手(現・ジャイアンツアカデミーコーチ)とバッテリーを組んで大活躍。2年生のセンバツ以降、4回連続「甲子園」に出場し、3年春の大会では横浜高を破って全国制覇を成し遂げ、2003年のドラフト1位で広島カープに入団した大型捕手だ。

 しかし、一軍出場はここまでわずか86試合。レギュラーマスクとして活躍した時期もなく、2015年以降は7試合でプレーしただけ。そんな控え捕手が、広島カープに選手として在籍して、今年で19年目。

 どうしてだろう……何か「理由」があるはずだ。

高校生だった白濱の優しい言葉「いつでも代わりますから」

 広陵高の大型右腕・西村健太朗の全力投球を受けさせてもらったのは、彼が3年生になる春。2003年のセンバツに出場する直前だった。

 気温7度、凍えるようなみぞれが降っていたので、ピッチングは室内練習場で……ということになった。

 ピッチング練習はすでに始まっていた。西村が渾身の力で投げ下ろす剛球の捕球音は、ドカーン!とも聞こえて、緊張が一気に高まったのを覚えている。

「だいじょうぶですか……?」

 入れ替わりに捕手の位置に立った私に、白濱捕手がかけてくれたひと言が沁みた。

【次ページ】 高校生だった白濱の優しい言葉「いつでも代わりますから」

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