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根尾昂がルーキー時代に語っていた“二刀流→ショート一本”の真意「野手の方がもっとやるべきこと、やりたいことがいっぱいある」 

text by

鈴木忠平

鈴木忠平Tadahira Suzuki

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2022/07/10 17:03

根尾昂がルーキー時代に語っていた“二刀流→ショート一本”の真意「野手の方がもっとやるべきこと、やりたいことがいっぱいある」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

1年目、3月のウエスタン・リーグの試合に出場した根尾

根尾「そうですね、はい。今もできないこと、多いですけど(笑)」

 有り余る才能が生みだす、迷うほどの選択肢の中から、1つを選び取ってきた。基準は「やりたいこと」「できないこと」。決断の数々を、探求の意志が貫いている。

 初めて公式試合を戦った夜、根尾は疲れを感じていたという。それはそうだろう。前日はナゴヤドームの一軍オープン戦でフル出場、翌日は場所を変えて二軍で最初から最後まで戦ったのだ。

 だから、その夜、根尾は願った。選手たちが絶賛する「昇竜館」の夕食のメインが、魚でありますように……と。

根尾「固形のお肉とかは消化するのに疲れてしまうんです。お腹空いているので本当はガッツリしたものをガツガツ食べたいんですけど、それで疲れが抜けないことがあったので。お肉の場合は、プロテインなどでタンパク質を摂るとか、工夫しないといけないんです。僕は食べる量の割に、消費が多いので、消化しやすいものをゆっくり、いっぱい食べないといけないんです」

 そんな願いが通じたのか。憩いの卓に並んだのは焼いたブリであった。

根尾「嬉しかったです。ゆっくり、いっぱい食べられて、幸せでした(笑)」

【次ページ】 やり通せなかったことってないんですか?

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