スポーツ名言セレクションBACK NUMBER

〈順位戦勝率.942〉藤井聡太“史上最年少名人”へA級昇級…「将棋界の横綱に」と語った日、渡辺明や谷川浩司が受けた衝撃―2021-22 BEST3

posted2022/05/08 13:00

 
〈順位戦勝率.942〉藤井聡太“史上最年少名人”へA級昇級…「将棋界の横綱に」と語った日、渡辺明や谷川浩司が受けた衝撃―2021-22 BEST3<Number Web> photograph by JIJI PRESS

19歳にして順位戦A級昇級を決めた藤井聡太五冠

text by

NumberWeb編集部

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web

PROFILE

photograph by

JIJI PRESS

2021年から2022年(対象:12月~4月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト3を発表します。将棋部門の第2位は、こちら!(初公開日 2022年3月26日/肩書などはすべて当時)。
雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は将棋の藤井聡太五冠と順位戦・名人戦にまつわる4つの言葉です。

<名言1>
将棋界の横綱になりたい。
(藤井聡太/NumberWeb 2021年8月29日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/849545

◇解説◇
 3月9日、将棋の第80期順位戦B級1組の最終局である13回戦が行われ、藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖と五冠)が佐々木勇気七段と対戦した。後手番の藤井はこの日、勝てば自力で順位戦の最高クラスとなるA級への昇級を決められる大一番だった。

 戦型が角換わりとなる中、佐々木七段が先に仕掛ける展開に。それを受けて藤井竜王は26手目に昼食休憩をはさんで1時間34分の長考に入るなど、昼過ぎには2時間以上も持ち時間に差がつく状況になった。その後、佐々木七段も2時間超えの大長考を経ての夜戦となり、藤井竜王は56手目でふたたび1時間24分の長考に入り、「△6二玉」を選択した。

 その後は「ABEMA」や日本将棋連盟モバイルの評価値も両者に大きく揺れ動く激闘となったが、最後は藤井竜王の持ち味である終盤力で佐々木七段を投了に追い込み、今期順位戦を10勝2敗、A級昇級を決めた。この勝利によって、「史上最年少名人」への道がつながることになったのだ。

 デビューして5期で4度の昇級、さらには順位戦通算成績は49勝3敗、勝率にすると「.942」という恐るべき結果を残している。スポーツに限らず相手がいる勝負事で、これほどまでに勝ちまくる人物は、果たして今までいただろうか――。

「横綱のように堂々とした将棋を」

 藤井竜王が勝利し続けるタームにいたのは、2017年初夏のこと。藤井はデビュー後、公式戦で負けなしの29連勝という空前絶後の記録を作った。そんな藤井は地元で開催された大相撲・名古屋場所を観戦。藤井竜王は打ち出しの後、支度部屋を訪れて横綱・白鵬と初めて対面した。

「自分も横綱のように、堂々とした将棋を指して強くなりたい」

 白鵬と対面した藤井竜王はこう語り、《達心志》という文言の扇子を贈った。それから5年――藤井は将棋界最高峰のタイトルである竜王を獲得するなど「五冠」となった。序列的には相撲における「横綱」と言って差し支えないレベルだが……19歳の目はきっと、さらなる高みを見据えているはずである。

【次ページ】 最年少名人・谷川浩司が見た「藤井将棋」の凄みとは

1 2 3 NEXT
藤井聡太
渡辺明
谷川浩司
藤井奈々

ゲームの前後の記事

ページトップ