第98回箱根駅伝(2022)BACK NUMBER
〈第98回箱根駅伝〉本松貫太幹事長(千葉大4年)が、コロナ禍に見舞われた先輩からもらった「重いひと言」
posted2021/12/07 11:00

関東学連・本松貫太幹事長(千葉大4年)。第98回箱根駅伝の大会総務として大会運営を取り仕切る
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箱根駅伝2022取材チームhakone ekiden 2022
photograph by
Yuki Suenaga
――箱根駅伝予選会、全日本大学駅伝が終わり、いよいよ第98回箱根駅伝が間近に迫ってきました。関東学生陸上競技連盟の幹事長として、現在の心境はいかがでしょうか。
楽しみ5%、不安95%です。新型コロナウイルス感染症の感染対策や、選手の安全対策など、確認することがたくさんあります。11月現在は感染者数も落ち着いているものの、ゼロではありませんから。感染症の専門医の方からも助言をいただいておりますが、感染拡大の第6波が起こる可能性も否定できません。感染者数が減っていても、われわれが気を緩めるのではなく、むしろ積極的に対策をとっていくことが、箱根駅伝開催のご理解を得るためには必要なことだと考えています。
――10月23日に行われた箱根駅伝予選会は天気にも恵まれ、駿河台大学が初出場を決めるなど今回もドラマがありました。
前回に続き、今回も陸上自衛隊立川駐屯地の周回コースで開催させていただきました。私はこれまで「雨男」といわれて、担当した大会がことごとく雨に見舞われてきたので、朝から快晴でホッとしました。箱根駅伝のために運を貯めてきたつもりなので、本選でも晴れてほしいですね。
結果発表は、淡々と読み上げることに徹しました。私は緊張しがちで、人前に出ることがあまり得意ではないので……「8位、駿河台大学」と読み上げる場面はニュースでもよく使われていて、反響の大きさを感じています。周りの人たちからは、「発表の前、溜めなかったね」なんて言われました(笑)。
――本松幹事長は、どのようなきっかけで学連幹事になったのでしょうか。
北海道の陸上競技一家に生まれて、高校まで長距離をやっていました。ただ、記録も伸びず、そこまで一生懸命に打ち込むことができませんでした……そんなとき、順天堂大学で駅伝主務をしていた兄から、関東学連の活動の話を聞いて興味を持ったんです。兄からは「すごく大変だよ」「相当な決意を持ってやらないといけないよ」と、むしろ止められたくらいで。でも、自分が変わるためには、頑張らなきゃいけない環境に飛び込むべきだと思ったんです。
――実際に箱根駅伝に携わったことで、テレビで観ていたときと印象は変わりましたか。
私にとって箱根駅伝は遠い世界、テレビの中の世界でした。それが1年生のとき、スタートとフィニッシュを担当し、初めて箱根駅伝を生で見て……あのときの感動は忘れられません。それまでは、日本テレビの方などが中心に運営しているものとばかり思っていましたが、学連幹事の先輩方を見て、学生だけでこれだけのことをやっているんだ、と衝撃を受けました。同時に、自分にできるのだろうかと不安にもなりました。
――前任の山田幸輝幹事長から引き継ぐ際には、どんな言葉をかけられましたか。