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全日本大学駅伝は駒大vs.青学大だったが……〈第98回箱根駅伝〉で“2強”に割って入る大学は? 

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杉園昌之

杉園昌之Masayuki Sugizono

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photograph byYuki Suenaga

posted2021/11/19 11:00

全日本大学駅伝は駒大vs.青学大だったが……〈第98回箱根駅伝〉で“2強”に割って入る大学は?<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

全日本大学駅伝は駒大アンカーの花尾恭輔が青学大を振り切って連覇のフィニッシュテープを切った

戦力充実の早大、地力がある順大

 戦力が充実している早稲田大学は、虎視眈々と11年ぶりの総合優勝を本気で目指している。カギを握るのは10000mで学生トップレベルの記録を持つ中谷雄飛(4年)、井川龍人(3年)、太田直希(4年)の27分台トリオ、さらに5000mで日本選手権に出場した実績を持つスピードランナーの千明龍之佑(4年)。全日本大学駅伝では故障の影響で太田と千明がスタートラインに立てずに苦戦を強いられたが、ベストメンバーをそろえられれば、名門復活も見えてくる。

 地力があるのは順天堂大学。東京五輪の3000m障害で7位入賞を果たした三浦龍司(2年)を擁し、全日本大学駅伝ではそのキーマンが2区で10人を抜いてトップに出た。後半区間も粘って上位をキープし、3位で表彰台に上がっている。

「優勝を意識するタイミングもあった。次につながる」と長門俊介監督。箱根駅伝に向けて、明るい材料もある。内臓疲労でコンディションを崩していたエースの野村優作(3年)に復調の兆しが見えたこと。前回大会で2区を務めた大黒柱の存在は心強い。そして、最終区で区間2位の力走を見せた四釜峻佑(3年)。長門監督は安定感ある走りに信頼を置いており、箱根駅伝では重要区間での起用を示唆。要所には、トップと戦える選手をそろえている。往路でうまく流れに乗れれば、大会をかき回す展開もある。

侮れない東洋大、ダークホースは國學院大

 侮れないのは東洋大学。全日本大学駅伝ではミスが重なり、10位と苦戦したが、出雲駅伝は3位入賞。“鉄紺”の伝統は健在である。スーパールーキーの石田洸介は出雲駅伝、全日本大学駅伝と立て続けに区間賞を獲得するなど、話題に事欠かない。箱根駅伝5区の山上りで無類の強さを発揮する宮下隼人(4年)の存在も、大きなアドバンテージとなる。前々回大会で区間賞をさらったような走りで往路を制することがあれば、2強崩しも現実的なものとなってくるか。

 ダークホースとして注目したいのは國學院大學。出雲駅伝4位、全日本大学駅伝4位とコンスタントに結果を残し、力を証明している。2か年計画で強化を進めてきた成果は、確実に出てきた。「チームはひと回り成長した」と主将の木付琳(4年)。今年度は総合優勝を目標に掲げ、攻めの駅伝を展開していくつもりだ。

 長い距離に強い選手が多く、箱根駅伝ではさらなる力を発揮する。全日本大学駅伝ではルーキーの平林清登が17.6kmの7区で区間3位と奮闘し、最長区間の8区では伊地知賢造(2年)が区間賞の快走。箱根駅伝の区間上位で走った経験を持つ4年生の島﨑慎愛、藤木宏太らの実力派ランナーも控えており、前々回大会の総合3位を超える成績を残しても何ら不思議ではない。

 全日本大学駅伝に出場していなかった前回2位の創価大学を含め、静かに牙を研いでいる大学もあるはず。箱根駅伝に番狂わせはつきものだ。

~主催者からのお願い~

今大会は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止の観点から、主催者として次の対応を行います。皆さまを、選手を、箱根駅伝を守るために、ラジオ、テレビ等の媒体を通じて応援をお願いいたします。

・出場チーム、運営スタッフを含む大会関係者は、大会前2週間の体調、体温を記録し、異常がないことを確認した上で大会に参加します。

・出場チームの大学関係者や応援団、OB・OG、保護者による来場および沿道での応援行為については強く自粛を求めます。

・地域の皆さまには、応援のための外出をお控えいただき、特に沿道やスタート/フィニッシュ地点、中継所などでの観戦や応援行為はご遠慮くださいますようお願い申し上げます。

その他の対応はこちらをご覧ください。

ご理解、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。

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