Sound Mind, Sound Body 2021年夏、心と身体が輝いた瞬間BACK NUMBER

メキシコとの3位決定戦で味わった2種類の悔しさ。中山雄太の心に今も熱く留まるもの。

posted2021/10/01 11:00

 
メキシコとの3位決定戦で味わった2種類の悔しさ。中山雄太の心に今も熱く留まるもの。<Number Web>

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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 悔しさが胸を突き上げる。

 メキシコとの3位決定戦に敗れ、サッカー日本代表はメダルに手が届かなかった。後半途中でベンチに下がっていた中山雄太はグッと唇を噛んでいた。局面を変えるだけの力が自分には足りていない。そう思うと、口惜しくてたまらなかった。

 オランダに戻って新シーズンに入ってもその気持ちが鎮まることはない。モチベーションの動力源として、心に熱を帯びて留まっている。

 中山は言う。

「決して目標のメダル獲得を軽んじているわけではなくて、その(メダルを獲れなかった)悔しさよりも途中で下がって盛り返すピースにはなれなかった悔しさのほうが総括として残りました。現実を受け止めなきゃいけないと思う自分と、受け止め切れずに悔しがる自分がいました。ただその悔しさは決してネガティブじゃない。先につながるものがたくさんあると思っていますから」

 オリンピックでは6試合中5試合に左サイドバックで先発した。安定した守備力のみならず、攻撃でも好クロスを配球するなど激しい戦いを通じて急激にジャンプアップを果たした感がある。だからこそ次の課題を突きつけられ、「ネガティブじゃない悔しさ」を手にできたわけだ。

オランダ3シーズン目でつかんだ自信

 常に己と向き合い、コツコツと積み上げてきたその成果。オランダ1部ズウォーレで3シーズン目となった昨季はボランチやサイドバックなど複数のポジションをこなしつつ、屈強な相手とのフィジカル勝負にひるむことなくインターセプトや空中戦など守備力を引き上げていった。

「日本にいたときは守備を課題に感じていて、そこを向上させたいと思ったのも海外に飛び込んだ理由の一つでした。成長を実感しながら、データでも向上できているのは理想とはいかないまでも、しっかりと思いどおりのサッカー人生を歩めているなとは感じています。

 オリンピックに関しては、サッカー人生の進め方の上にそれがあっただけ。課題を見つめながらやってきて結果がついてきていることは良かったですし、自然にオリンピックに向けていい準備にもなりました」

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