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“山の神”柏原竜二も太鼓判? 市民ランナーも走る「激坂最速王決定戦」は、箱根5区の前哨戦になる。

posted2021/09/18 11:00

 
“山の神”柏原竜二も太鼓判? 市民ランナーも走る「激坂最速王決定戦」は、箱根5区の前哨戦になる。<Number Web> photograph by Gekizakasaisokuo

昨年のレースで優勝した創価大・三上雄太。2カ月後の箱根駅伝5区でも区間2位と見事な走りを披露した

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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Gekizakasaisokuo

箱根の山を舞台にした、もう1つの山上りレースが11月13日に開催される。アネスト岩田ターンパイクの特設コースで行われる「激坂最速王決定戦」だ。市民ランナーも参加するこのレースは、国道1号を走る箱根駅伝とはコースは異なるものの、頂上まで片道13.5kmで、標高差981mを一気に駆け上がるもの。“仮想5区”と呼ぶにふさわしく、今年も本番を見据えてすでに複数の強豪大学の選手が出場を表明している。

“5区の前哨戦”となりそうなこのレースの魅力を、東洋大OBで解説者としても活躍する柏原竜二さん(富士通)と、法政大OBの大村一さんが語ってくれた。柏原さんは“山の神”とも称され、箱根駅伝では4年連続で5区区間賞の実績を残した名ランナー。一方、大村さんは箱根5区を二度走り、2001年の第77回大会では強風が吹き荒れるなか、中大、順大と死闘を繰り広げ、多くの人々の記憶に刻まれることになった。また、激坂最速王決定戦には過去に2回出場しており、今年も参戦を表明している。

箱根レジェンドの2人は、激坂最速王決定戦をどのように見ているのか――。

柏原 先日、たまたまなんですけど、ターンパイクを車で走ったんです。激坂王の舞台はここか! と思いながら車を走らせました。箱根駅伝の5区とほぼ同じ標高差を駆け上がるレースですから、激坂王で選手の上りの適性を見極められるので、駅伝の解説者としても重要な手がかりになります。箱根5区との大きな違いとしては、ターンパイクのほうがストレートの上りが多いことですね。国道1号のほうがカーブが多いんですよ。そのあたりは走りをアジャストさせる必要はあるかもしれません。

大村 僕はこのレースを2回走っていますが、柏原君がおっしゃったようにストレートが長いですね。でも、カーブが多い5区はなかなか前の選手が見えませんが、「激坂王」の場合、登りの部よりも先にピストンの部(上り下りで往復する部門)の選手がスタートしているので、長い直線になるとポツンポツンと前を走っている選手が見えるんですよ。前に選手が見えると、闘争心が湧くというか、もっと自分を追い込んで、あの選手を抜こうという気持ちが芽生えるんです。

柏原 なるほど!

大村 前の選手がどんどん近づいてきて、その選手を抜くっていう感覚は、箱根の5区と似ている感覚がありました。そういう意味でも箱根駅伝の下準備にも使える大会だなと思います。もっとも、僕の場合は、現役時代は追われることが多かったのですが…。

柏原 激坂王は今もウェーブスタートですが、さらに細かくして、大学生ランナーを1人1人時差スタートにするのはどうでしょうか!? 例えば、事前に抽選をして、1分おきのスタート順を決めるとか…。各大学の監督さんたちも「単独走」を見たいと思いますし、よりいっそう感染症対策にもなりますから。

大村 それは面白いかもしれない。主催者に提案してみますよ(笑)

柏原 大学によっては、ここにエントリーさせて5区候補の選手に上りの自信を付けさせるというのも1つの手ですし、あえて第1候補の選手は温存させて、第2候補、第3候補の“山要員”を作るために、このレースを活用するのもアリだと思います。いろいろな思惑にあわせて「激坂王」を活用するチームも出てきそうですね。

【次ページ】 柏原「山を走るのは強化が目的じゃなく感覚の調整」

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