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22年前、イチローが松坂大輔から“狙って100号ホームランを打った理由”「あれくらいで確信なんて早すぎるんだよ」――2021上半期 BEST5

posted2021/09/27 06:01

 
22年前、イチローが松坂大輔から“狙って100号ホームランを打った理由”「あれくらいで確信なんて早すぎるんだよ」――2021上半期 BEST5<Number Web>

記念すべき100本目のホームランを、松坂大輔から放っているイチロー

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

2021年上半期(3月~8月)、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。プロ野球部門の第5位は、こちら!(Web公開日 2021年7月9日、初出:Number 2019年6月13日発売号「イチローvs.松坂大輔『最初で最後の1本塁打』」/肩書などはすべて当時)

今季限りで現役引退を発表した松坂大輔。「平成の怪物」と呼ばれた球界の天才から、自身の記念すべき100号ホームランを放ったのはイチローである。そこで、その名勝負を振り返った「Sports Graphic Number」掲載記事を特別に公開する。


初対決で3三振を喫したその2カ月後、稀代のヒットメーカーは100号弾で雪辱を果たした。海を渡っても続いた、2人の天才の対決。その唯一の本塁打を、捕手の視点で振り返る。

◆◆◆

「100号は松坂君から打ったほうが喜んでいただける」

 イチローは時折、狙ってホームランを打っていた。イチローはこう言っている。

「スイングはいつもと変わらないんですけど、狙うときにはボールの少し下を打ちにいく、ということはしていますね」

 日本で118本、アメリカで117本。

 235本のホームランの中で、イチローが明らかに狙って打ったホームランがある。それが100本目のホームランだ。そのホームランをイチローは1999年7月6日、神戸で松坂大輔から打っている。イチローはこの日、こんなコメントを残した。

「ホームランは前の打席から狙っていました。100号は松坂君から打ったほうが喜んでいただけると思いましたから……」

 このとき、松坂とバッテリーを組んでいたのが中嶋聡だ。イチローとチームメイトだった中嶋は、ライオンズへ移籍してルーキーの松坂と出会う。当時、中嶋は松坂に対してこんな印象を抱いていた。

「とにかくボールが暴れていました。まっすぐもスライダーも暴れていた。だから暴れた球をうまく利用するために、キチキチに構えないというか、この暴れ方ならこっちのまっすぐはいけるなとか、こういう暴れ方ならスライダーが上手く使えるなとか、そう考えるようにしていました」

 その発想が功を奏したのが、イチローが100号を打つ2カ月前の、イチローと松坂の初対決だった。イチローから3三振を奪った、1999年5月16日のことだ。

捕手中嶋聡が知る、松坂大輔の“いいボール”とは?

 イチローと松坂の初対決は1回表、ツーアウト、ランナーなしの場面で実現した。初球、インコース低めへのストレートは149km、判定はボール。2球目はインコースの高め、153kmのストレートをイチローが強振して、ファウル。その後、松坂はスライダーをアウトコースに2球続けてカウントは2-2となった。追い込んでからの5球目はふたたびインコース高めへ151kmのストレート、またもファウル。そして6球目、松坂はアウトコースの高めにストレートを投げた。スピードは147kmだったが、うなりを上げて伸びるボールにイチローのバットが空を切り、空振り三振。

 中嶋がこう振り返った。

【次ページ】 「じつはイチローが空振りするとは思わなかった」

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