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日本スケボー界のレジェンドに聞く“堀米雄斗はどれだけスゴイ?”「修行というか、鍛錬の極みと言ってもいいレベル」――2021上半期 BEST5

posted2021/09/24 06:00

 
日本スケボー界のレジェンドに聞く“堀米雄斗はどれだけスゴイ?”「修行というか、鍛錬の極みと言ってもいいレベル」――2021上半期 BEST5<Number Web> photograph by AFLO

堀米雄斗ら日本勢による東京五輪の大活躍で注目を集めたスケートボード。日本のレジェンドには“五輪のスケートボード競技”はどう見えたのだろうか?

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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2021年上半期(3月~8月)、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第5位は、こちら!(初公開日 2021年8月26日/肩書などはすべて当時)。

 東京オリンピックで一番印象に残った競技はなんだった?

 旧知の記者にそんなことを聞いてみたら、彼は「スケートボードですかねえ」と答えた。パーク女子の岡本碧優がラストランで高難度の構成に果敢にチャレンジして失敗、にもかかわらずライバルたちに担ぎ上げられ称賛された場面が印象的だったらしい。ちなみに彼はその時、他の会場で取材をしていた。現場では見ていなかったのだ。それでもそんな風に感じたのだという。

 競泳の大橋悠依もインタビューの中でパラリンピックに対する質問に「すごく一生懸命やっている姿とか、スケボーの女の子を見ていてもそうですけど、楽しそうにやっている姿って絶対に誰かの感情を動かす一部になると思うので」と語っていた。さまざまな人からさりげなくスケートボードという単語が出てくるようになったことが、今回の五輪による変化ではないだろうか。各地のスケートボードスクールも予約が殺到している状況だという。

 ただメダルをたくさん獲っただけではこうはいかない。競泳の二冠女王や取材記者、そしてテレビで見ていた人たちの心に何かを残していくような、東京五輪のスケートボードとはそういうものだったのだ。

 ではスケーターの目には初めてのオリンピックでのスケートボード競技はどんな風に映っていたのだろう。

「スケートボードが五輪に食われちゃうんじゃないか」

「最初は不安でした。スケートボードがオリンピックに食われちゃうんじゃないか、スケートボードっていうものが歪んじゃうんじゃないかと。でも全然そんなことはなかった。出ている人たちがオリンピックに煽られることなく今まで通りに自分たちを表現した結果、スケートボードの魅力、見方がしっかり伝わった。心配してたおじさんはバカみたいでしたよ」

 そう言って笑ったのはプロスケーターの岡田晋だ。

 90年代中頃に日本人のトップスケーターが集まって結成された「NEWTYPE」の中心メンバー。日本人で初めてアメリカのスケートカンパニーにスカウトされ、同世代の米坂淳之介や荒畑潤一、中島壮一朗らと海外で活躍する日本人スケーターの道を切り拓いた先駆け的な存在である。現在43歳。現役からは退いているが、スケートボード映画の原作・プロデュースやファッションブランドの展開など幅広く活動している。

 大会前、岡田は懸念を抱いていた。それは得体のしれない(しかもやたら粗ばかりが目につく)オリンピックというものに対する至極真っ当な警戒心だった。

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