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「イチローや松井が例外だったんですよ」MLBでフロントを経験、斎藤隆が明かす“米国で獲得リストに挙がった日本人野手の名前”――2021上半期 BEST5

posted2021/09/22 11:01

 
「イチローや松井が例外だったんですよ」MLBでフロントを経験、斎藤隆が明かす“米国で獲得リストに挙がった日本人野手の名前”――2021上半期 BEST5<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

引退後はパドレスのフロントとして、選手の育成やチーム編成に携わった斎藤隆さん。現在はNHK BSのMLB中継などで解説を務める

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Shigeki Yamamoto

2021年上半期(3月~8月)、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。メジャーリーグ部門の第3位は、こちら!(初公開日 2021年3月27日/肩書などはすべて当時)。

MLB5球団で活躍し、故郷のある東北楽天で日本球界に復帰。引退後はパドレスのフロントとして、選手の育成やチーム編成に携わった斎藤隆さん。現在はNHK BSのMLB中継などで解説を務める斎藤さんに聞いたメジャーリーグのストーブリーグ事情。斎藤さんが当時議論を重ねた日本人野手とは?(全2回の1回目/#2へ)

◆◆◆

「田中はメジャーのFA選手で、5本の指に入る投手だった」

――パドレスのフロント経験もある斎藤さんに、まずは、昨年から今年にかけてのアメリカのストーブリーグ戦線についておうかがいします。

斎藤 コロナ不況が直撃しましたね。その象徴が楽天に復帰した田中(将大)でしょう。今オフのメジャーのFA選手の中では、5本の指に入る投手だった。チームによっては、真っ先に田中獲得に名乗りを上げたところもあったと思うんです。ただ、どこも懐事情が苦しい中で、田中クラスの選手に見合う条件を提示できなかった。結果、あれだけの選手が日本に戻ってくることになったわけです。

――今オフ、渡米を希望した日本人選手は4人いました。巨人の菅野智之、ロッテの澤村拓一、日本ハムの有原航平と西川遥輝です。有原、澤村は契約まで行きましたが、菅野と西川は契約に至りませんでした。ただ、2人は対照的で、菅野は「行かなかった」のに対し、西川は「行けなかった」わけですよね。

斎藤 菅野は行こうと思えば行けたんでしょうね。ただ、条件が見合わなかったんだろうな。だから結果的に、菅野もコロナの影響を受けたということになるのでしょう。でも今はアメリカか日本かという二者択一の時代ではない。アメリカ30球団プラス日本12球団の中で、自分がいちばん納得できるチームを選べばいい。最近は向こうの選手が「日本の球団も視野に入れている」と発言することもあるくらいですから。駆け引きだったとしても、名前が出てくるだけでもすごいことですよ。

――実際、2019年には、アメリカで1巡目指名を受けながらも合意に至らなかったカーター・スチュワートがソフトバンクに入団するなんてこともありましたからね。

斎藤 あれは衝撃的なニュースでしたね。近年、野球界におけるソフトバンクの存在感は、どんどん大きくなっています。本気でMLBに勝つつもりでいる。世界一のチームを、世界一のリーグを作ろうとしています。

「イチローや松井が例外だったんですよ」

――西川に関しては、日本で3割6厘、42盗塁という成績を残したにもかかわらず、どこからも声がかからなかった。相変わらず、日本人野手への評価は厳しいなという印象が残りました。

【次ページ】 「イチローや松井が例外だったんですよ」

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