Sound Mind, Sound Body 2021年夏、心と身体が輝いた瞬間BACK NUMBER

2人のメダリスト――レスリング須﨑優衣と競泳・本多灯がオリンピックで最高の結果が出せた理由。(前編)

posted2021/09/24 11:00

 
2人のメダリスト――レスリング須﨑優衣と競泳・本多灯がオリンピックで最高の結果が出せた理由。(前編)<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama(portrait)

ともに初めてのオリンピックでメダルを獲得した須崎(左)と本多

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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Takuya Sugiyama(portrait)

 ラスト50m、4番手でターンしたあと鮮やかな追い上げで銀メダル、日本競泳男子でただ一人表彰台に立った本多灯。4試合すべてでテクニカルフォール勝ち、しかも無失点と圧倒的な強さで金メダルを獲得、レスリング最終日を締めくくった須﨑優衣。ともに初の大舞台にもかかわらず、存分に力を発揮した2人が、コロナ禍で1年延期となってからの取り組みと強化、そしてオリンピック本番で“心”と“身体”をどう整えて臨んだのか語り合った。

本多 須﨑選手は全試合、1ポイントも失わずに優勝。すごいなと思いました。

須﨑 ありがとうございます。テレビで本多さんのレースを観ていました。決勝で追い上げて銀メダルを獲得した瞬間、鳥肌が立ったのを覚えています。

決勝前夜、本多を励ました先輩の言葉

本多 実は決勝の前日、準決勝が終わったあとは不安になっていて、気持ちがフラフラしていました。準決勝は8番目のタイムで決勝へはぎりぎりの通過、端っこのレーンで泳ぐことになったので。

須﨑 泳ぐ位置って重要なんですか?

本多 端は波の影響を受けやすいとよく言われます。自分はあまり感じないのでその点は別にいいんですけど、気持ち的な部分ですね。準決勝は全力で泳いだのに8位でした。2位とか3位とか、センターレーンに近いところで泳げる順位だったら自信が湧いていたと思います。「通用しないじゃん、やばいやばい」と感じました。でも競泳チームの主将の(入江)陵介さん、(萩野)公介さんや(瀬戸)大也さんたちが「決勝に残れたんだから、思いっきりやってこいよ」と言葉をかけてくれたんです。「8番から下がることはない、上がるだけだ」と不安がかき消され、前日もしっかり眠れました。個人競技だけど、そういうところが「チーム」のよさだと思います。

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