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狩野舞子が挙げるバレー日本代表のキーマン、男子は石川祐希…では女子は? メダル獲得へ向けて重要なのは「ともに2戦目」《短期連載スタート》

posted2021/07/22 11:05

 
狩野舞子が挙げるバレー日本代表のキーマン、男子は石川祐希…では女子は? メダル獲得へ向けて重要なのは「ともに2戦目」《短期連載スタート》<Number Web> photograph by FIVB

男女それぞれ12名でオリンピックに挑むバレーボール日本代表。メダル獲得へ向けて、最終準備に着手している

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狩野舞子

狩野舞子Maiko Kano

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FIVB

 いよいよ、東京五輪が始まりますね。本番を前に、改めて男女バレーボール日本代表メンバーを見ながら大会をプレビューしたいと思います。

 通常、バレーボールの国際大会は14名の選出ですが、オリンピックは12名。私自身も経験がありますが、メンバーが発表されると一気に緊張感が高まります。

 2012年のロンドン五輪ではスタートから出場する立場ではなかったので、自分が12名に選ばれた時、まず感じたのは「やったー!」ではなく、「この中で自分が何をすべきなのか」という責任感の重さ。オリンピック本番まで、自分が残った意味を必死に考える日々でした。
※NumberWeb以外でご覧になっている方は記事末尾の「関連記事」から ◆東京五輪バレーボール日本代表一覧 をご覧ください。

 そんな実体験と重ねながらまず女子の12名を見て、目を引いたのはミドルブロッカーが4人も選ばれていることです。コートに立つ7人のうち、リベロを除けばセッターが1人、ミドルブロッカーが2人、オポジットを含めればアウトサイドヒッターは3人。必然的にリザーブメンバーもアウトサイドヒッターの人数が増えることが多く、実際にロンドン五輪ではミドルブロッカーが3人であったのに対し、アウトサイドヒッターは私を含め6人でした。

 その日の調子によって途中出場することももちろんですが、戦略として「2枚替え」を活用していたので、セッターの竹下佳江さんが前衛に上がった終盤、私が竹下さんと代わり、新鍋理沙さんとセッターの中道瞳さんが交代して、前衛の攻撃枚数は3枚プラス後衛のバックアタックを含めた4枚の攻撃を維持する。それが日本の戦い方でもありました。

2枚替えは消防車と救急車

 男女に限らず日本や世界でも「2枚替え」はスタンダードで、眞鍋政義監督(当時)も現役時代は2枚替えで出場する機会が多くあったと聞きました。その経験からよく言われたのは「2枚替えは消防車と救急車」。流れが悪くなったところで鎮火し、再び自チームに流れを引き寄せる。それが2枚替えで投入される選手に与えられる役割だと理解し、臨んできました。

 もちろん試合によっては、スタートの選手が好調で試合の流れもよければ出番が来ないこともあるし、「何もできなかった」と感じることもありました。それでも私に求められるのは、主に前衛でのブロックだったのでそれだけは必死にやろうと思っていました。

【次ページ】 女子はチームを固めている状況

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