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奥原希望と海外遠征の苦労。コロナに翻弄され、飛ばないシャトルに消耗しても全英オープンで勝てた理由とは。 

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2021/06/02 11:00

奥原希望と海外遠征の苦労。コロナに翻弄され、飛ばないシャトルに消耗しても全英オープンで勝てた理由とは。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

奥原は昨年10月のデンマーク・オープンで2年ぶりの優勝を飾ると、全英オープンも5年ぶりに制した。

“時差ボケ防止グッズ”で対策

 シャトルは会場によって「飛ぶ会場」と「飛ばない会場」に分かれるのですが、全英オープンは「飛ばない会場」でした。そうなると1球打つために多くのエネルギーを使いますし、ラリーが続きがちなので試合時間も長くなります。実際、今大会も準々決勝、準決勝はファイナルゲームまでもつれ、1時間を超える試合になりました。この2試合はコートの後方に押し込まれたときの対処がうまくできなくて、1ゲーム目はシャトルの飛び方をつかめないまま落としてしまいました。劣勢の中、私はプレースピードをキープすることで、相手を疲れさせ、逆転することができました。

 もちろん、私の方も身体へのダメージはけっこうありましたね……。大会を通じて腰と首に不調を感じていたので、帰国してすぐに枕の高さを調整しました。かつての私は怪我の多い選手だったので、コンディショニングへの意識は人一倍高いと思います。怪我を繰り返したことで自分の身体を知り、身体が発している声を聴くことができるようになりました。今は少しでも身体の変化を感じたら、すぐ対応するようにしています。

 ベストな状態で試合を迎えるために、海外遠征の時はありとあらゆる“時差ボケ防止グッズ”を試して、対策を頑張っています。特に飛行機での過ごし方は重要で、搭乗前から行き先の時刻に合わせて行動するように心掛けています。機内食や消灯の時間は出発地に合わせて設定されているので、その時間に左右されずに自分のペースを貫くことが肝心です。

「少しでも普段と同じ環境で眠れるか」

 2016年のリオデジャネイロ五輪は、かなり「睡眠」の対策を練りました。ブラジルまでの搭乗時間が長いので、飛行機で使用する[エアー]のクッションを手配して、宿舎で使う[エアー]マットレス、就寝時の香り、現地は冬だったので寒さ対策も。寝具は身体に合うかどうかも大事ですが、私は気持ちの部分を重視しています。いかにリラックスして眠りに就けるか、少しでも普段と同じ環境で眠れるか。「安心」というのが、私の寝具選びのキーワードですね。しっかりとコンディションを整えられたことが、銅メダル獲得につながったと思います。

 東京五輪は飛行機移動や環境への適応が必要ないので、やはり自国開催はアドバンテージですね。ただ、バドミントン会場の、武蔵野の森総合スポーツプラザは「飛ばない会場」に分類されます。アジアは「飛ぶ会場」が多い傾向にあるんですけど、日本の体育館は作りが良いので風の影響をほとんど受けません。風がないとタフな試合になりやすいので、試合前後のコンディショニングがカギを握ります。全英オープンでのタフな戦いを経て、改めてそのことを感じました。

そんな奥原の躍進を支えているのが、マットレス[エアー]でお馴染みの西川株式会社だ。6月28日公開の記事では同社の「日本睡眠科学研究所」を取材し、奥原や野球の田中将大、大谷翔平、サッカーの三浦知良ら多くのアスリートに支持されているマットレスの秘密に迫る。

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