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【涙の高校サッカー選手権】1年に正GKを奪われた“J内定3年”の葛藤、「楽しそうにサッカーやるヤツら」への反抗心―2020-21 BEST3

posted2021/05/04 11:00

 
【涙の高校サッカー選手権】1年に正GKを奪われた“J内定3年”の葛藤、「楽しそうにサッカーやるヤツら」への反抗心―2020-21 BEST3<Number Web> photograph by Kazuaki Nishiyama

伝説となった1997年度の東福岡vs帝京「雪の決勝」。帝京は金杉のゴールで先手を取ったが……

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NumberWeb編集部

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Kazuaki Nishiyama

2020年から2021年(対象:12月~3月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト3を発表します。高校スポーツ部門の第2位は、こちら!(初公開日 2021年1月9日)。

 雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は高校サッカー、涙と青春の4つの言葉です。

<名言1>
こんなに楽しそうにサッカーやるヤツらに負けちゃいけないって。でも、ホントは違うんだよね。
(木島良輔/Number995号 2020年1月17日発売)

◇解説◇

 全国高校サッカー選手権では数々の伝説のゲームが生まれてきた。1990年代で“ベスト”と言われるのが1997年度の「雪の決勝」だ。

 本山雅志や千代反田充らを擁して“赤い彗星”と称された東福岡が、インターハイと全日本ユースに続く史上初の三冠獲得なるかが注目の的だった。そこにさらなるドラマ性を生んだのは、当時8度の全国制覇を誇る名門・帝京、そして都内に降り積もる大雪だった。

 当時、帝京も貞富信宏、そして中田浩二とJ内定者が複数人いた。その中で10番を背負った木島にはオファーがなく“就活中”。進路未定のまま決戦に臨んだ。

 雪の降り積もるピッチという不確定要素によって、東福岡の技術が減じられるのでは――戦前、そんな予想があった。実際、先制点を奪ったのは“蹴って走る”スタイルでいった帝京だったが、木島は試合前からこう思っていたという。

「正直、俺はイヤでした。あの雪は、ドリブルを持ち味とする俺のプレースタイルはハマらない」

「サッカーは、楽しんだヤツのほうが強い」

 ただ、画面を通して見ると真っ白に見えたピッチだが、実は雪の積もり具合はさほどではなかったという。それを肌で感じ取った東福岡イレブンは“普段通り”ボールをつなぐと、本山の絶妙なアシストなどもあり、2-1と逆転に成功し、歓喜のタイムアップを迎えたのだ。

「サッカーは、楽しんだヤツのほうが強い。あの時はまだ、そういうことがわかってなかった」

 もし木島が、雪のピッチを楽しめていたならば――。東福岡の三冠制覇の結末は、少し違ったものになっていたのかもしれない。

【次ページ】 「全国優勝という結果が自信につながった」

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