Sports Graphic NumberBACK NUMBER

巨人は桑田コーチの“第7世代”意識改革で3連覇へ。阪神も藤浪復活で黄金期到来の予感。

posted2021/03/15 11:00

 
巨人は桑田コーチの“第7世代”意識改革で3連覇へ。阪神も藤浪復活で黄金期到来の予感。<Number Web> photograph by KYODO

桑田コーチは2006年に退団して以来、15年ぶりに巨人のユニフォームを着る(左)。藤浪は昨季、リリーフ登板も経験して復調の兆しを見せた。

text by

JERAセ・リーグ取材班

JERAセ・リーグ取材班JERA Central League Coverage

PROFILE

photograph by

KYODO

3月26日のJERAセントラル・リーグ開幕に向けてNumber Webでは、2021年シーズンの戦いを展望する連載をスタート。第4回は、昨季優勝の読売ジャイアンツ、2位の阪神タイガースのライバル球団が繰り広げる、熾烈な覇権争いを占う。

読売ジャイアンツ

JERAセ・リーグ2020:優勝

文=鷲田康

 今年の巨人の野球は大きく変化するかもしれない。

「去年まではベンチ入り26人で24人か25人を使う野球をしてきた。しかし今年は10人か11人、多い時でも13人で勝負する。そういうチーム作りをしていこうと、キャンプからその目標に向かってやっている」

 巨人・原辰徳監督は過去2年から今年のチーム作りの転換をこう説明する。

「確かにセ・リーグを連覇はしました。しかし日本シリーズでは同じ結果しか残せていない。そこは今年のチームにとっての大きな課題なのは言うまでもありません。今まではみんなの力を私が合わせて総合力という形で戦ってきた。しかし短期決戦ではそういうチームは脆さが出る。だから今年は強い選手集団を目標にする」

 全ては2年連続日本シリーズで惨敗したソフトバンクに、力で戦いを挑めるチームを作るためであり、そのために昨オフからチーム編成でも積極果敢に動き続けている。

 オフにはフリーエージェントの梶谷隆幸外野手と井納翔一投手をDeNAからダブル獲得。年明け早々には桑田真澄投手チーフコーチ補佐の就任が発表され、キャンプ終了直後には田口麗斗投手を交換要員にヤクルトから廣岡大志内野手を獲得する緊急トレードを成立させた。

投手陣の意識改革に着手

 中でも桑田コーチの就任は、これまでの巨人の野球に大きな化学変化を起こさせる触媒となるものだった。

 就任直後から桑田コーチは「先発投手は1回15球、9回135球の完投を目指して欲しい」と目標を掲げ投手陣の意識改革に着手。もちろん現状でこの目標を達成できる力のある投手は、エースの菅野智之投手くらいしかいないことは十分、承知のはずだ。そもそも1イニングを15球で投げきり、9回を135球で完投するなど、そう簡単に達成できるものではない。

 ただ、目標を高く掲げることで、これまでは100球を投げ切ることを目指してきた先発陣が、全く違うアプローチで練習にも試合にも臨むことになる。そこからしか全体のレベルアップは生まれないという考えだった。

 もちろんそのレベルアップの対象となるのが畠世周、桜井俊貴に左腕の高橋優貴ら昨年まで先発を担ってきた若手投手陣ということになる。ただ、原監督の本当のターゲットはさらに若い巨人軍“第7世代”とでも呼ぶべき3人の投手たちである。昨年からローテーションの一角を担っている戸郷翔征に、同じく高卒3年目を迎える直江大輔、左腕の横川凱の3投手。技術的にも考え方においても、今がまさに「鉄は熱いうちに打つ」べき投手たちであり、桑田コーチ就任の最大の狙いもそこにある。

【次ページ】 左腕・横川の成長がトレードに繋がった!?

1 2 3 4 NEXT

ページトップ