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村上宗隆×池江璃花子「日本一になるための体調管理」【スペシャル対談】
posted2021/03/18 11:00

2020年12月上旬、神宮球場にて。
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
白血病の長期間にわたる治療を経て、プールへと戻ってきた池江璃花子。
昨季、高卒3年目で東京ヤクルトスワローズの4番打者に定着した村上宗隆。
若くして日本を代表するアスリートとなった、ともに2000年生まれの2人が、競技の垣根を越え、率直に語り合った。
村上 僕は野球を5歳の頃からやっていたのですが、実は小学生の頃は水泳もやっていました。大きな大会に出るようなレベルではなかったし、池江さんの前で言うのは恥ずかしいんですが(笑)。リオデジャネイロオリンピックのレース、観ていました。
池江 ありがとうございます。
村上 僕も日の丸を背負って、オリンピックやWBCで戦いたいという気持ちがものすごくあります。オリンピックってどんな舞台ですか?
池江 「オリンピックには魔物がすんでいる」という言葉を聞いたことはありますか。
村上 何となくですが、あります。
池江 私が初めてオリンピックに行ったとき、コーチが「魔物がすんでる」って言うんですけど、何のことか分からなくて。結局は自分の使命感とか、周囲からのプレッシャーなんだろうなって思いました。でも私の場合はそういうことを感じずに、普通の世界大会と変わらない気持ちで臨んで、案外記録が出ちゃった、みたいな感じでした。
村上 気持ち、強いですね。
池江 村上さんのことを予習してみたのですが、デッドリフトとベンチプレスの数字、すごいですね。さすがだなって思いました。
村上 高校のときにかなり筋力トレーニングをやりました。今はカラダができてきたので、どちらかというとヨガ、体幹、ストレッチ、カラダの使い方を重視したトレーニングをしています。
池江 私も中断していた筋力トレーニングを再開しているのですが、今はベンチプレスで持ち上げられるのが25kgくらい。病気になる前も、47.5kgを1回上げられた程度でしたけど。
村上 いやいや、すごいじゃないですか。