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中日は「スピード」改革で1点にこだわる。DeNAは新監督が促す「競走」で下馬評を覆したい。

posted2021/03/01 11:00

 
中日は「スピード」改革で1点にこだわる。DeNAは新監督が促す「競走」で下馬評を覆したい。<Number Web> photograph by KYODO

アピールを続ける中日の3年目・根尾(左)。DeNA・三浦監督は移籍した梶谷の穴をどう埋めるか。

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3月26日のJERAセントラル・リーグ開幕に向けてNumber Webでは、2021年シーズンの戦いを展望する連載をスタート。第3回は、昨季3位の中日ドラゴンズ、4位の横浜DeNAベイスターズの指揮官の言葉から、長らく遠ざかる優勝への道を見通す。

中日ドラゴンズ

JERAセ・リーグ2020:3位

文=小西斗真

 中日が最後に優勝してから10年が経つ。

 10年前は東日本大震災があり、開幕は遅れ、さまざまな特別ルールが採用されたシーズンだった。投高打低。極貧打線を鉄壁の守りと盤石の投手陣が引っ張った。プロ野球界の選手の入れ替わりは早い。当時在籍していた選手は8人しか残っておらず、戦力だったといえるのは平田良介、大島洋平ら数名だ。

 与田剛監督の就任1年目、2019年の5位がホップとすれば、長い低迷期に終止符を打ち、8年ぶりのAクラス(3位)となった昨シーズンはステップ。契約最終年の今シーズンは、もちろん特大のジャンプしか目標はない。

「選手には1月31日の全体ミーティングでこう伝えました。『コロナという大きな敵に立ち向かう中で、目標を持ってやっていこう』と。つまりは優勝です」

 続いて口にしたのが「スピード」という言葉だった。

「決断にしても伝達にしても、もちろん野球においてもスピードを重視します。監督である自分の一存で決定することも増えてくる。今年はもうちょっと様子を見てみようとか、あと1回はチャンスを与えようとかがなくなってきます。勝負のシーズンです」

 情をはさむ余地はない。非情に徹し、勝負に挑む。つまり「今シーズンのドラゴンズの見どころは?」と問われれば「優勝できるかどうか」の1点しかない。

沢村賞・大野の“エースの責任”

「大きな見どころ」に達するための「小さな見どころ」は3つある。

 まずは何といっても大野雄大がエースの働きをすることである。昨シーズンは10完投、6完封という超人的な活躍で沢村賞に輝いた。例年、春先は状態が上がらないスロースターターとして有名だが、今年のキャンプでは明らかなスロー調整に終始した。

「はい。配慮していただけ、ゆっくりやることができました。(FA権を行使せずに残留で)いい契約を頂いているから、責任もある。しっかり調整していきたいです」

 与田監督も「雄大のことは心配はしていない。調整は任せているし、何よりも去年までの疲労をしっかりと取る方が大切だから」と一任している。

 計算に基づいた調整なのか、それとも短かった今回のシーズンオフで疲労の蓄積が解消しきれなかったのか、それは今後の投球を見るとして、もちろん開幕がすべてではない。それ以上に重要なのは勝負のかかった夏場以降に、エースがエースでいてくれるかどうか。それは非常に大切な「見どころ」である。

【次ページ】 勝負の1点を取るために

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