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武豊「申し訳ないけど、皆様お静かにと」 15年前、異様な熱気に満ちていたディープの菊花賞――2020 BEST3

posted2020/12/26 06:01

 
武豊「申し訳ないけど、皆様お静かにと」 15年前、異様な熱気に満ちていたディープの菊花賞――2020 BEST3<Number Web> photograph by Kyodo News

菊花賞でディープインパクトの単勝支持率は79.03%。単勝式オッズは1.0倍(100円元返し)という圧倒的支持を受けた

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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Kyodo News

2020年、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト3を発表します。競馬部門の第3位は、こちら!(初公開日 2020年10月20日)。

 先週はデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が秋華賞(GI)を制し、無敗の3冠牝馬となった。そんな偉業をも露払いにしてしまいそうなのが、今週末に登場するコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。

 10月25日、京都競馬場の芝3000メートルを舞台に行われる第81回菊花賞(GI)。皐月賞(GI)、日本ダービー(GI)に続く牡馬クラシック3冠の最終関門にあたるのがこのレース。ここに春の2冠を無敗で制したコントレイルが出走する。勝てば無敗での3冠馬が誕生。無敗での3冠制覇となると、過去には1984年のシンボリルドルフ、そして2005年のディープインパクトの2頭しか達成出来ていない大偉業である。

 そんな偉勲を収めんとするコントレイルだが、その父がディープインパクト。無敗で3冠を制したたった2頭のうちの1頭だ。

 ディープインパクトが負け知らずでトリプルクラウンホースに上り詰めたのは2005年10月23日のこと。今回は当時の様子を振り返ってみたい。

ディープが姿を現さず、固唾をのむファン

 その日の朝、京都競馬場は雨に見舞われていた。しかし、第1レースが終わったあと雨は上がり曇天に。そして、菊花賞が近付くにつれ天候は回復した。当日の公式記録を見ても第1レースが雨、第2レースから第10レースまでは曇となっているが、メインの菊花賞は晴に変更されている。

 ディープインパクトを含む出走馬16頭がファンの前に姿を現したのは発走40分前。午後3時にパドック入りした時だったのだが、この時の何という事のない出来事にも無敗の3冠達成を願うファンの心理が表出したと思える出来事があった。

 ゼッケン1番のコンラッド、2番のヤマトスプリンター、3番のミツワスカイハイと、馬番順に各馬がパドックに入場した。ディープインパクトは7番。しかし、6番のアドマイヤジャパンがパドック入りした後、姿を現したのは8番のシャドウゲイトだった。それだけでパドックにどよめきが起きたのだ。誰もが固唾をのんでディープインパクトの登場を待った。

【次ページ】 周囲がディープに近付かないようにしていた

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