第97回箱根駅伝(2021)BACK NUMBER

箱根駅伝に青春を捧げて。関東学連・山田幸輝幹事長が明かす大会開催への思い。

posted2020/12/15 11:00

 
箱根駅伝に青春を捧げて。関東学連・山田幸輝幹事長が明かす大会開催への思い。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

関東学連・山田幸輝幹事長(神奈川大学4年)。第97回箱根駅伝の大会総務として大会運営を取り仕切る。

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箱根駅伝2021取材チーム

箱根駅伝2021取材チームhakone ekiden 2021

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Yuki Suenaga

――新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年は多くの学生スポーツ大会が中止になりました。箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(以下、関東学連)の幹事長としては、箱根駅伝も開催できるのかどうか不安な日々を過ごしたのではないですか。

 3月に選抜高校野球の中止が決まった時は、まだ自分のこととして実感が湧いていませんでした。そのうちに5月以降の陸上競技大会も中止や延期になり、緊急事態宣言が解除された後の6月から箱根駅伝予選会、本大会に向けた打ち合わせが始まったのですが、開催できるかどうか分からないなかで準備を進めるのは、心身共に苦しかったです。

――11月5日に第97回箱根駅伝の開催が正式発表されるまでに、まずは開催に向けて進むべきかどうか山田幹事長の意向が問われたそうですね。

 私としては開催したい思いが強くありましたが、この状況でその思いだけではとても開催できません。打ち合わせが始まった6月から開催と中止、可能性は五分五分だと思っていました。その後、箱根駅伝にかかわる自治体にご説明に伺い、10月に全日本大学女子駅伝、11月に全日本大学駅伝が無事に開催されたこともあって、箱根駅伝も開催の見通しが立てられました。ただ、今後も中止になる可能性はありますので、気を緩めずにやっていきたいと思います。

――特に10月17日の箱根駅伝予選会は昭和記念公園をフィニッシュとした前回大会までのコースから陸上自衛隊立川駐屯地の周回コースに変更されるなど、例年と何もかも異なって準備が大変だったのではないでしょうか。

 10月の時点では市街地を走る大会がほとんど再開されておらず、モデルケースがない中で準備をしていたので大変でした。自衛隊の方にご理解いただき、周回コースにして人数制限、感染症対策に万全を期しましたが、どこまですれば良いのかという正解があるわけではないので。今でもあれが正解だったのか分かりませんが、感染者は出なかったのでほっとしました。

――幹事長にとっては、順位発表も見せ場のひとつです。今回は名物の大型ボードもなく、寂しい感じもしました。

 それはそうですが、私は滑舌が悪いので順位発表はできればやりたくないと思っていたくらいで……その分、力まずに淡々とできました(笑い)。

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