第97回箱根駅伝(2021)BACK NUMBER

[史上最速世代が語る箱根路 vol.4]
相澤晃「大学4年間で、僕は変わることができた」

posted2020/12/03 11:00

 
[史上最速世代が語る箱根路 vol.4]相澤晃「大学4年間で、僕は変わることができた」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

東洋大・相澤晃は2区で1時間5分57秒の区間新記録を樹立し、第96回箱根駅伝の大会最優秀選手賞「金栗四三杯」を受賞した。

text by

小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

PROFILE

photograph by

Yuki Suenaga

 それは少々意外な答えだった。

「2年生の2区です。箱根駅伝でもっとも印象深いのは、あの年の2区ですね」

 相澤晃は東洋大学在学中に箱根駅伝を3度走っている。成績は飛び抜けていて、2年生の時は2区を走り、区間トップと3秒差の区間3位、3年生では4区を走り区間新記録の快走を見せた。記憶にも新しい前回の箱根駅伝では再びの2区で史上初の1時間5分台をマーク。あの留学生ランナーのメクボ・モグス(山梨学院大学)が持っていた記録をじつに11年振りに塗り替えた。

 世間に与えたインパクトでは、金栗四三杯にも選ばれた4年生時の走りが圧倒的だ。にも関わらず、喜びは2年前の方が勝っているというのはどういう訳だろう。

「あの年の東洋大は前評判が高くなかったんですけど、それでも往路優勝ができて、それがすごく嬉しかったです。前の年は体調を崩して当日変更で外されてしまって、自分にとって初めての箱根駅伝というのも大きかった。沿道を見ても人がぜんぜん途切れないし、これが夢にまで見た舞台なんだって。走りながらどんどん楽しくなっていきました」

柏原竜二、設楽啓太の活躍が印象に

 相澤にとって箱根駅伝は高校時代からの憧れだった。毎年正月はテレビの前で箱根駅伝の中継を見るのが恒例で、とりわけ柏原竜二や設楽啓太(共に東洋大)がエースとして活躍する姿を強く印象に留めた。箱根駅伝と言えば東洋大。いつしか鉄紺のたすきを身につけることが目標になっていたという。

 高校は福島の強豪校、学法石川高で1年生からレギュラーの座を掴み、5000mで高校トップレベルの13分台(13分54秒75)を記録した。卒業後は、希望通り東洋大へ進学。そこだけを切り取ればエリートの歩みそのものだが、相澤の心象風景は異なる。

「高校時代はケガも多くて、メンタルも弱くて、確かに13分台は持ってましたけど、僕はインターハイにも出られていないんです。都大路でも活躍したわけではなくて、悔しい思いをたくさんしてきました。だからエリートという意識はないです」

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