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“サングラス投げ”高橋尚子の激走を覚えていますか?……シドニー五輪から20年、「10の名場面」とは

posted2020/09/15 11:30

 
“サングラス投げ”高橋尚子の激走を覚えていますか?……シドニー五輪から20年、「10の名場面」とは<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/JMPA

女子マラソンで金メダルを獲得した高橋尚子。日本列島に感動を呼んだ激走だった。

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NumberWeb編集部

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Naoya Sanuki/JMPA

 今から20年前の2000年9月15日は、シドニー五輪の開幕日だ。様々なドラマが生まれたオリンピックの名場面を写真で振り返りつつ、現地で撮影した佐貫直哉カメラマンに高橋尚子、イアン・ソープらの“撮影秘話”も聞いた。

(1)サングラスを外したQちゃん
 今大会最大のスターとなったのは高橋尚子だ。女子マラソンでリディア・シモンと一騎打ちとなる中で、34kmすぎ付近にサングラスを投げ飛ばすやいなや、スパートを敢行。そのまま押し切り、2時間23分14秒の五輪最高記録で金メダルを獲得した。

当時はフィルムで撮っていたので……

【佐貫カメラマン撮影秘話】
 マラソン用の「撮影車」から撮影したものです。「撮影車」と高橋さんは20mくらい離れていました。

 実はシモンを突き放す前の、(35km手前での)サングラス投げの瞬間は見られていません。テレビの「中継車」か、別のクルマの影に隠れていて見えなかった。それでもう一度、高橋さんの姿が見えたとき「あれ、サングラス外した!」と。そのときの高橋さんは全身から溢れるものがあって、撮りながらゾクゾクしたのを覚えています。

 ちょうど一直線の道で、水色のヌケのよい線があったので、それを意識して撮影しました。ずっと続くように思える道がマラソンを象徴するようでした。

 Numberの表紙になりやすいようにタテで、文字を置きやすいように。撮った瞬間「これは来た」という強い手ごたえがありました。

 シドニー五輪はフィルムで撮っていましたからその場で写真を確認することができませんでした。ネガフィルムをスキャンして、電送していた時代です。1枚送るのに5分ほどかかかっていたので、毎晩午前2、3時まで電送作業をして、また翌日は撮影という繰り返しでしたね。

【次ページ】 ソープが着ていた“元祖高速水着”

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