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稀代の開拓者に導かれて。
<近鉄の後輩がメジャーの先輩に>
吉井理人「アイツ、ホンマにやりよった……」

posted2020/08/27 07:30

 
稀代の開拓者に導かれて。<近鉄の後輩がメジャーの先輩に>吉井理人「アイツ、ホンマにやりよった……」<Number Web> photograph by Kazuaki Nishiyama

吉井にとって近鉄の後輩にあたる野茂は、メジャーの先輩になった。

text by

生島淳

生島淳Jun Ikushima

PROFILE

photograph by

Kazuaki Nishiyama

 現役時代、僕はケチな男でして(笑)。近鉄時代の自分は、新しく入団してくる選手には絶対に実力で負けるわけはないと思ってたし、他人というものにまったく興味がなかったんです。

 それが、1990年に野茂が入ってきて、キャンプで初めてピッチングを見た時に「うわあ、これ負けた」と思いましたからね。迫力が、スケールが、3つも4つも、なんか分からんくらいにデカかったですよ。

 '95年、野茂は周囲の反対を押し切り、批判されながらメジャーリーグに渡る格好になりましたが、僕にはそうする根性も、敵をいっぱい作って出ていく勇気もなかったので、「アイツ、ホンマにやりよった」という感じでした。当時の野茂の行動は常識外でしたけど、きっと坂本龍馬をはじめとした幕末の志士なんかも、野茂みたいな意志を持っていたからこそ、明治維新が達成できたんだろうなと感じたりもします。

 僕は同じ'95年に近鉄からヤクルトに移籍して、そこでの3年間が選手としての「プライムタイム」でした。変な自信もあり、「俺がメジャー行ってもそこそこ通用するだろう」と思っていたので、自分よりもかなり上の実力を持つ野茂ならば、成功しないわけはない、なんなら大活躍するだろうと思ってました。そうしたら、本当に予想通り。'95年の夏は、朝方に野茂の登板をNHKのBSで見て、勇気をもらってから球場に向かった記憶があります。自分も次のFAの時に余力があったらメジャーに挑戦したいと思うようにもなっていました。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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