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独自のシューズ開発を極めるミズノ。
新モデル登場でランはどう変わるか。

posted2020/08/31 17:00

 
独自のシューズ開発を極めるミズノ。新モデル登場でランはどう変わるか。<Number Web> photograph by Ichisei Hiramatsu

9月に発売する『WAVE RIDER 24』(右)と『WAVE RIDER NEO』。ミズノの技術を集結させたシューズを、幅広いレベルのランナーが体感できるようになる。

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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Ichisei Hiramatsu

 さまざまなトピックスで今年も賑わった箱根駅伝。なかでも唯一“非厚底”で10区の区間記録を更新した創価大学の嶋津雄大と、彼が履いていたミズノのプロトタイプのシューズの衝撃は大きかった。

 近年はカーボンプレートを内蔵した厚底シューズを履いた選手が世界中で記録を更新。この流れを受けて、多くのメーカーがカーボンプレートやクッション性に優れたシューズを発表した。

 ミズノはその流れに一石を投じた。あのシューズにはどんなスペックが搭載されているのか。ランナーたちの好奇心を焦らすように沈黙すること7カ月。ついにヴェールを脱ぎ、発表されたのが新素材『ミズノエナジー』だ。

 第一弾として登場したのはエリートランナーやサブ3ランナーをターゲットにしたレースシューズと、素材特性を最大限に生かしたコンセプトモデルの2種類。どちらもエッジが立っていて、正直市民ランナーが日常的に使うには少しハードルが高い印象だった。だが9月、ついに多くのランナーの受け皿となるシューズが登場する。

 今回はミズノで根強い人気を誇る『WAVE RIDER』シリーズに注目。ミズノを代表するランニングシューズは新素材によって、どのように変わったのか。話を聞いた。

この靴なら楽しく走れるという爽快感を。

 箱根駅伝後、嶋津はミズノを選んだ理由をこう語っていた。

「予選会の2週間前に厚底を試着したんですが、フィーリングが思った以上に違って。さすがに予選会までに履き慣れるのは難しいし、また次の機会にしようと思ったんです。ところがミズノのシューズを試したら、履いたときのフィーリングが厚底よりも全然良くて。反発性がありながらも自分の走りを変える必要もなかった。これだ!って即決しました」

 この嶋津の言葉こそが、ミズノが追い求めてきたものだ。

「ミズノは全てのランニングシューズにおいて、スムースさを重視しています。走っていて、違和感やノイズがなく、純粋にランニングに没頭できて、楽しめる。日本は欧米に比べて、どうしても靴に速さを求める傾向が強いのですが、まずはこの靴なら楽しく走れるという爽快感を僕たちは提供していきたい」と企画担当の鷲見将成は語る。

7月の新素材「ミズノエナジー」発表会にも登壇した企画担当の鷲見氏。

【次ページ】 柔らかさを維持しつつ、安定性を上げる。

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