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清武弘嗣がロンドン五輪スペイン戦、
戦う前に「絶対勝てる」と思った訳。

posted2020/06/01 11:35

 
清武弘嗣がロンドン五輪スペイン戦、戦う前に「絶対勝てる」と思った訳。<Number Web> photograph by FIFA via Getty Images,Asami Enomoto(in the article)

マタやデヘアなど超一流選手がそろったスペインに1-0で勝ち、ガッツポーズを見せた清武。

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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FIFA via Getty Images,Asami Enomoto(in the article)

「絶対に勝てるって思ったんです」

 清武弘嗣は間髪を容れず、そう同調した。

 メダルまであと一歩と迫った2012年のロンドンオリンピックをあらためて振り返る企画。オーバーエイジで出場した徳永悠平を長崎まで訪ねたのち、USJの近くにある大阪・舞洲のセレッソ大阪クラブハウスへと向かった。

 優勝候補スペインを相手に「これならやれるなと思っていた」と徳永の言葉を伝えた際の反応が冒頭のコメントである。

 スペインはEURO2012を制したジョルディ・アルバ、フアン・マタ、ハビ・マルティネスが名を連ね、ダビド・デヘア、イスコ、コケらもいる。徳永のニュアンスは“戦っていくうちに”だったが、清武のニュアンスは違う。“戦う前から”なのである。

「絶対に勝てる」と信じることができた背景。

 彼は言葉をこう続けた。

「前評判が低いのはみんな感じていたので“見返してやろう”っていう気持ちがチーム全体にありました。

 スペイン戦のウォーミングアップで準備しているときから、多分いけるなって自分のなかでは思っていて、関さん(関塚隆監督)、コーチ、スタッフ、チームメイトと一日でも長くサッカーをやりたいという気持ちも強くて。いい準備ができたと思うし、その意味でも(吉田)麻也くん、徳さん(徳永)がチームに入ってくれたことはチームにとって大きかったと思いますね」

 静かな口調ながら、1つひとつの言葉に熱がこもる。

「絶対に勝てる」と信じることができた背景に、オリンピック直前の選手ミーティングがあった。強化試合のベラルーシ戦後、戦術における意見交換の場となっただけでなく、チームの雰囲気にも話が及んだ。

【次ページ】 「試合前はもっとピリッとしたほうがいい」

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