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<eスポーツのトップランナーが語る>
ときど「視線の先に見据える未来」

posted2020/06/04 11:00

 
<eスポーツのトップランナーが語る>ときど「視線の先に見据える未来」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

text by

福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

PROFILE

photograph by

Shiro Miyake

日本のeスポーツ黎明期にプロゲーマーとなった、ときど。大会に合わせて世界を飛び回る彼の日常は、まるで求道者のように真摯にゲームと向き合う日々だった──。

 格闘ゲーム『ストリートファイター』でゲーム内のキャラクター・豪鬼を操り、eスポーツ界のトップに君臨するプロゲーマー・ときど。東大卒という、異色の経歴を持つ彼が、プロゲーマーの道を歩み出したのは日本ではeスポーツという言葉すら一般的ではなかった2010年のこと。

「この頃はプロとして生計を立てているゲーマーはほとんどいませんでした。それでもプロゲーマーになろうと思ったのはゲームが好きだったというのが一番の理由ですが、直接eスポーツ先進国であるアメリカに行って情報を見ていたのが大きいですね。最初はロサンゼルスの大学の体育館で開かれていた大会が、次はラスベガス郊外のホテルになり、メインストリートに近い大きなホテルになりと、年を追うごとに規模が拡大していきました。その状況を知っていたので、日本で難しければ、海外を拠点にすればいいと覚悟を決めました」

「ゲームの世界でも量より質」

 ときどの想像以上にeスポーツの普及は早く、今では世界各地で開催される大会に合わせ、毎週のように海外を転戦している。

「土日に開催される大会に合わせ、木曜日に日本を出発します。大会を終えて月曜日に現地を出ると日本に着くのは火曜日、翌日の水曜日は毎週行なっている動画配信をして、大会が続くときは木曜日にまた次の大会に向けて出発します」

 その合間を縫って事務所で仲間とのトレーニングも欠かさない。かつては10時間以上モニターと向き合うこともあったが、今は1日3時間から4時間に減らしている。

「最近ゲームの世界でも量より質が問われるようになってきました。その代わりぐっと集中して練習する。30分対戦して休憩を挟んで、また次の人と対戦する。これを6~7セット行なうことが多いですね」

 常にモニターを見つめ、素早く移動するキャラクターの動きを追う。目をかなり酷使しているはずだが、目薬をさす以外ほとんど目のケアはしていないという。

「疲れを感じたときは、休憩中に必ず目薬をさします。目の疲労を回復させるだけでなく、スッとする刺激が、いい気分転換になるので、また集中して練習できます」

【次ページ】 極限の集中力を生むセルフコントロール。

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