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いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」
村岡桃佳(パラ陸上短距離/パラアルペンスキー選手) × 吉岡里帆(女優)

posted2020/04/10 11:00

 
いい顔に迫る資生堂クロストーク「ONE ON ONE」村岡桃佳(パラ陸上短距離/パラアルペンスキー選手) × 吉岡里帆(女優)<Number Web> photograph by SHISEIDO

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資生堂

資生堂SHISEIDO

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SHISEIDO

女優・吉岡里帆がアスリートと語り合い、「いい顔」の理由に迫るクロストーク。今回のゲストは、パラ陸上短距離/パラアルペンスキー選手の村岡桃佳さん。スポーツを心から愛する強さが表情に満ちていました。

負けないために1番になる

吉岡 小学生のころ、お父さまにスポーツイベントに連れ出してもらったのをきっかけに車椅子スポーツの楽しさに目覚めたそうですね。

村岡 はい。車椅子で生活していると、どうしても家にこもりがちになってしまって、学校で健常者の友だちと運動をしていても、どこか引け目を感じてしまっていたんです。でも障害者スポーツの世界ではみんなが対等で、普段は味わえない爽快感や非日常感を得ることができる。そこにすごく惹かれました。

吉岡 陸上に挑戦される前は、アルペンスキーで大活躍されていて、きっと陸上とは違う感覚があったんじゃないでしょうか?

村岡 常に怖さとの闘いでした。スピードがすごく出るスポーツなので、ちょっとしたミスが大怪我につながるんですね。しかもあんなにスピードが出るのに、自分は身ひとつみたいな心細さがあって。でも恐怖と闘いながら、ここで守りに入って減速したら負ける、絶対に負けたくないという気持ちで滑っていました。

吉岡 強いなぁ。村岡さんはインタビューでよく「私はスポーツを楽しんでるだけ」という発言をされてるんですけど、やっぱり正真正銘のアスリートだなって思います。

村岡 アスリートなんですかね?(笑) 人と比べても怖がりだし、あがり症だし。だけど誰よりも負けず嫌いではあると思います。アスリートにはありますよね、勝ちたいとか、1番になりたいとか、そういう気持ちが。私にはそれがないんです。でも誰にも負けたくないんですよ。誰にも負けないためには、結局1番になるしかないっていう、それだけなんですよね。

吉岡 自分は負けず嫌いだなって、明確に意識した瞬間はありますか?

村岡 昔から負けず嫌いだって言われてましたし、自分でもそう思います。車椅子に乗った友だち同士で鬼ごっこをしていても、捕まるのが悔しくて仕方なかったりとか(笑)。自分が鬼になると、死ぬ気になって追いかけて。ただそれを表に出すのはイヤなんですよね。だからカッコつけたがりなんです。カッコつけたがりというか、見栄っ張りというか、そういうところは昔からあると思います。

吉岡 国際大会で断トツの成績を残していたスキーから、陸上に挑戦する時は勇気がいりましたか?

村岡 そうですね。いろいろやりたがりな方なんですけど、内にこもりがちな性格だし、新しく何かをはじめるのが苦手なので、陸上にチャレンジする時はすごく悩みました。中学までやっていた陸上に、もう1回挑戦したいという気持ちはずっとあったんですけど、1歩を踏み出すことがなかなかできなくて。とりあえずやってみようという気持ちでスタートしたものの、陸上をはじめてみたら思った以上に辛かったです。

吉岡 そうだったんですね。具体的にはどんなことがいちばん辛かったですか?

村岡 スキーは山を下るので、その外力を受けて自動的にスピードが出るんですよね。スピードをどうやってコントロールするのかがスキーでは大切なんです。でも陸上では、自分の力で0からスピードを生み出さないといけない。その違いを甘く考えていた部分があって、こんなに大変だったのかと。

吉岡 でもそこで負けず嫌いな一面が発揮されて。

村岡 そうなんですよね。だからどこがゴールなのかわからないですけど、やりたいと思ったことを全力でやり続ける人生になったら素敵だなって。そんな人生を目標にしてがんばりたいと思います。

吉岡 やりたいことをやるって、シンプルだけどとても難しいことですよね。すごくカッコいいです。

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