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<40歳になっても変わらない哲学と習慣>
遠藤保仁「これからも自分らしく“健康第一”で」

posted2020/03/26 18:00

 
<40歳になっても変わらない哲学と習慣>遠藤保仁「これからも自分らしく“健康第一”で」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

稀代のパッサーはプロ生活22年目の昨年、前人未踏の記録を達成。今なお衰えない体を支える背景には、独自で築き上げた信条がある。まだまだ日本サッカーの中心で躍動するベテランに、胸の内を聞いた。

 遠藤保仁は誰よりも呼吸を大切にするフットボーラーである。

 数年前、トレーニングにヨガを取り入れてから強く意識するようになったという。

「練習前後のストレッチでも胸の奥まで空気を入れるようになりました。酸素をたくさん体内に取り入れてケアすることで可動域も広がって、次の日の練習でもしっかり動ける効果がある。そして何よりケガ予防になりますからね。試合中ずっと走るスポーツなので、多く酸素を取り入れて脈を上げないほうがいい。呼吸の仕方でパフォーマンス自体も変わってくるんじゃないかって考えています」

 ケアやケガ予防のみならず、走る際も、筋力トレーニングの際も、呼吸一つで効果に違いがあることを実感している。今年1月で40歳を迎えたものの、変わらないパフォーマンスを支えているのが呼吸だ。

 昨シーズン、日本人選手では前人未踏の公式戦通算1000試合出場を達成した。世界に目を移してもパオロ・マルディーニ、シャビ、ライアン・ギグスらひと握りのレジェンドしか達成していない。遠藤は1998年、横浜フリューゲルスに入団して以来、Jリーグでも日本代表でもコンスタントに出場を続けた。大きなケガを寄せつけず、パフォーマンスの波もない。

10分って決めたら10分でやめる。

 彼の信条に「健康第一」がある。

 風邪をひかないために、鼻呼吸を習慣づける。ケガをしないために、自分の体の状態にきちんと目を向ける。無理をして逆効果とならないように、体からのシグナルには逆らわない。

「個人的なトレーニングでも10分って決めたら10分でやめる。もうちょっとやろうとか、必要以上にやっちゃいけない。その意味で自己分析というのは大事だと思っています。ただ、昨シーズンは試合に出られないとき、練習が終わってから負荷を掛けるトレーニングをプラスアルファして調整しました。追い込むところは追い込む。そういう見極めができたから、シーズン通していいコンディションを保てたんじゃないかとは感じています」

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