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百田夏菜子(ももクロ)×鈴木亜由子(マラソン)
「アイドルとアスリートに通じるもの」

posted2020/03/10 20:00

 
百田夏菜子(ももクロ)×鈴木亜由子(マラソン)「アイドルとアスリートに通じるもの」<Number Web> photograph by Hirofumi Kamaya

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別府響(文藝春秋)

別府響(文藝春秋)Hibiki Beppu

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Hirofumi Kamaya

「アイドル」と「アスリート」という2つの人種は、一見すると遠いようで、実は似た存在なのかもしれない。

 どちらもファンの声援を力にしながら、時に重圧と戦い、その後押しを受けて目標に一歩ずつ向かっていく。そしてそのゴールに少しでも近づくために日々パフォーマンスに汗を流し、自分を高める努力を惜しまない――。彼ら、彼女たちのそんな姿はファンを笑顔にし、大きな感動を与えてくれる。

 精力的なライブ活動と斬新な演出で、人気アイドルグループとして活躍する『ももいろクローバーZ』のリーダー・百田夏菜子と、昨年9月に行われたマラソン・グランド・チャンピオンシップで2位に食い込み、今夏の大舞台を勇敢な挑戦者として迎える女子マラソンの鈴木亜由子(日本郵政グループ)。

 2人の話を聞いていると、そんな不思議な共通項が見えてくる。

 かたやトップアイドル、かたやトップアスリート。そんな“非なるが似た”フィールドの2人のフロントランナーが語る、スポーツの持つ力とファンの存在とは。

鈴木 わたしは大学時代からずっとももクロファンだったので、実際にこうしてお会いすると「本当に存在するんだ!」っていう感じで、感動します(笑)。

百田 そう言ってもらえると嬉しいです! もともとはお父さんがファンだったんですよね?

鈴木 そうなんです。父がモノノフ(ももクロファンの呼称)で、大学生の時に一緒にコンサートに行って、それで好きになりまして。赤いTシャツを着せられて行きました(笑)。

百田 逆にわたしは小さいころからスポーツが大好きで、「将来はスポーツ選手になりたい」とずーっと思っていたんです。いまは気づいたら全く違うフィールドにいますけど、いろんなお仕事をしていく上で、ひとつのことに対する突き詰め方や、物事に向き合う姿勢はアスリートの方を参考にさせていただいたりします。だからこうやって気さくにお話できると嬉しいです。

鈴木 わたしたち競技者も音楽から力をもらうことって多いんです。究極の場面とか大きなレースとか、実はたったひとつの言葉とかキーワードだけで頑張れたりする。それが歌のワンフレーズだったりすることも多くて。ももクロで言えば、普段の「みんなを応援したい、みんなを笑顔にしたい」みたいな純粋な気持ちが曲からすごく伝わってくるので、それが力になるんです。ももクロはライブでもスポーツの要素をよく取り入れてくれますよね?

百田 昔から「勝手にスポーツを応援していこう」というチーム全体の精神みたいなものがあって(笑)。3年前から夏にやっている「ももクロマニア」というイベントでは“アイドルとスポーツの融合”というテーマを掲げて、ライブ中にハーフマラソンもやっています。

鈴木 そうやってライブでスポーツイベントをやってもらえると、スポーツに触れられる入口も増えますし、たくさんのファンが興味を持ってくれると思います。

百田 それこそアイドルとスポーツって、普段は全然違うジャンルだけど、「なんとなく通じるものがある気がする」ということを、みんなで打ち合わせで話していて。じゃあ“アイドルとスポーツの融合”をエンターテイメントで作ったら、たくさんの方に新しいものを見てもらえるんじゃないかという想いから、企画が始まったんです。

 最初は手探りで……まぁ今もそうなんですけど(笑)、やってきた中で段々実際のアスリートの方たちも協力して下さるようになって。普段あんまりスポーツを観ない方が、目の前で本物を見られる機会ってそう多くはないと思うんですよね。ライブを使っていろんな角度からスポーツを楽しんだり、アイドルを楽しんだりしてもらいたいということで、小さくですけどやらせてもらっています。

【次ページ】 間違えたら仕方ない、練習がすべて。

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