速さは、ひとつじゃない。BACK NUMBER

<連続インタビュー vol.2>
紀平梨花「まだまだ私は美しくなれる」

posted2020/02/27 18:00

 
<連続インタビュー vol.2>紀平梨花「まだまだ私は美しくなれる」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

PROFILE

photograph by

Takuya Sugiyama

「氷上で滑れないときは、ホテルのジムで走ったり、ランニングトレーニングもします。ウォーミングアップやダッシュも含めると、ほとんど毎日走っていると思います。走るのは嫌いじゃないので」

 紀平梨花は、フィギュアスケートという競技に対し、氷上だけでなく陸上のトレーニングから日常生活まで含めて真摯に向き合い続けてきた。

 そんな重みを持って取り組んできた競技だけに、その位置づけをこうも表現する。

「命がけの存在。それくらいに、思っています――」

 日本女子のエース。

 そう呼んでさしつかえないだろう。

 シニアデビューの年となった昨シーズンは、グランプリシリーズ上位6名しか出られないグランプリファイナルに進出すると優勝を飾り、世界選手権の日本代表にも選ばれ4位となった。

 今シーズンも日本勢で唯一、グランプリファイナル進出を果たし、全日本選手権で初優勝も成し遂げた。

 紀平は、トリプルアクセルを武器に順調に階段を上ってきた。

「最後の最後まで頑張り切れて、全日本選手権も成績を出せたので、昨シーズンよりいいシーズンだったかなと思います」

 今シーズンを、紀平はこう振り返る。

 ここまで成長し続けることができた要因を、自身ではこのように分析する。

「いろいろな経験をして、いろいろな状況に対応できるようになったことです」

 糧としてきたのは数々の経験だ。

「失敗したときはどういう感情だったのか、気合いの入れ方はどうだったのか――いつも振り返るようにしていました」

 常に試合を振り返りつつ、その中で財産を手にしてきた。特に紀平が大切にしているのが「考え続ける」ことだ。

「いろいろな状況をこれまでに経験しているので、それを思い返します。その中で、いちばんいい方法はどうだったのか。同じミスは繰り返したくないのでとにかくいつも考え続けています」

【次ページ】 紀平の成長を支えてきたもの。

1 2 3 NEXT

ページトップ