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「常に上を目指し、国の誇りをかけて」
オールブラックスを突き動かすもの。

posted2019/11/18 11:00

 
「常に上を目指し、国の誇りをかけて」オールブラックスを突き動かすもの。<Number Web> photograph by MITSUBISHI MOTORS

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福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

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MITSUBISHI MOTORS

自動車業界で常に技術的なイノベーションを起こしてきた三菱自動車と長い期間にわたって世界屈指のラグビーチームであり続けるオールブラックス。その両者に共通する想いとは――。

 世界各国のラグビー代表チームには、ジャージやエンブレムに由来する愛称が付けられることが多い。中でも有名な愛称の一つが、ラグビーニュージーランド代表の『オールブラックス』だ。ラグビーファンならずとも一度は耳にしたことがあるこの愛称の由来は諸説あるが、有名なのはイギリスの新聞がきっかけとなったというエピソードだ。

 1905年にラグビーの母国イギリスへ遠征した際、ヨーロッパの強豪国を相手にチーム全員が巧みにパスを操り、全員でグラウンドを走り回るプレースタイルを観た新聞記者が「全員がバックスのようだ(ALL BACKS)」と記事に書いた。ところがこれが誤植によって「ALL BLACKS」と表記され、それが広まったという伝説が残されている。由来の真実性は不明だが「オールブラックス」の愛称はおよそ1世紀も前に誕生していたことになる。

 ジャージ、パンツ、ストッキングまで、漆黒のユニフォームを纏ったオールブラックスの選手達が試合前にニュージーランドの先住民マオリ族の伝統の踊り「ハカ」を舞い、激しい試合を繰り広げるその姿は、世界中のラグビーファンを虜にしてきた。

真夜中の試合でも必ず応援する。

撮影に参加したオールブラックスのメンバー。左からジャック・グッドヒュー、セヴ・リース、アンガス・タアヴァオの3選手。

 人口わずか480万人。日本の人口のおよそ25分の1という小さな国の代表チームが、世界のラグビーを牽引し続ける。その強さの秘密はどこにあるのだろうか。

 オールブラックスの一員であるウイングのセヴ・リースは「ニュージーランドに住む人々の想いがオールブラックスを強くしてきた。ニュージーランドの子ども達にとってオールブラックスは憧れの存在です。試合のある日はどんな真夜中でも、夜更かしをして必ず応援します。それは年齢も、性別も関係ありません。それくらいニュージーランド国民はラグビーとオールブラックスに対して情熱を抱いています。だからこそ、代々強いチームであり続けようとする意識が強いのだと思います」と話す。

【次ページ】 オールブラックスは常に上を目指す。

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