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「人間の脆さを感じた1年でした」
DeNA梶谷隆幸、崖っぷちからの生還。

posted2019/11/10 11:00

 
「人間の脆さを感じた1年でした」DeNA梶谷隆幸、崖っぷちからの生還。<Number Web> photograph by KYODO

2013年から'17年まで5年連続で2ケタ本塁打を記録してきた。ここ2年はそれぞれ出場41試合と苦しんでいる

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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KYODO

「人間というものの“脆さ”をとにかく感じた1年でした。いや本当、危なかったですよ」

 秋晴れの日、練習後の眩しい斜光を浴びながら、横浜DeNAベイスターズの梶谷隆幸は、まるで“生還者”のような表情で語った。

「今シーズンは野球以外の部分で成長を得ることのできた、これまでとはまったく違う時間を過ごしましたね。自分のキャリアのなかで初めてといえるような重要なシーズンだったと思います」

 13年目のシーズン。昨年8月に右手首を骨折し、さらに右肩の手術などを経て新たな気持ちで挑んだ今季、開幕戦で1番・センターに抜擢された梶谷だったが、序盤は不振にあえいだ。

 7試合でわずか1安打で4月8日登録抹消されるが、24日に再びチャンスをもらい一軍へ。しかしここでもヒットは出ることはなく、5月6日にまたもや登録抹消となってしまう。これ以後、梶谷は約3カ月半を二軍で過ごすことになる。

一軍からまったく声がかからない日々。

 一軍からまったく声がかからない日々。2014年に梶谷がレギュラーになって以来、初めての経験だった。体力も技術も足りない若手時代のような状況でもなければ、ましてや怪我をしているわけでもない。

 もう手術をした右肩は万全であり、しっかりとスローイングはできた。肉体的に万全であるのにも関わらず、長い二軍での生活がつづいていた。

 神里和毅や佐野恵太ら若手の台頭により激化しているDeNAの外野手争い。チャンスをもらった選手たちは躍動し、そこに梶谷の付け入る隙はなかった。いろいろな感情や想いが梶谷の頭のなかを駆け巡る。

【次ページ】 気がつけば負のループ。

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梶谷隆幸

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