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巨人の新たな魅力を提示する――。
野心を感じる長編ドキュメンタリー。

posted2019/10/25 17:00

 
巨人の新たな魅力を提示する――。野心を感じる長編ドキュメンタリー。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

第三次政権1年目で巨人をセ・リーグ制覇へと導いた原辰徳監督。その激動の1年がぎゅっと詰まったドキュメンタリー作品に仕上がった。

text by

茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

 10月中旬、突然「巨人のドキュメンタリー試写会があるので観に行きませんか?」とのお誘いを受けた。

 聞けば、今シーズン読売ジャイアンツのホームゲーム全試合を配信したDAZNが長編ドキュメンタリーシリーズ「GIANTS 復活への道」を制作したのだという。

 4シーズンにわたってセ・リーグ優勝を逃したチームは、原辰徳監督のもとでどう再興したのか。それを「巨人の4番」、「這い上がる若者たち」、「エースの資質」など計7つで構成し、エピソード1が10月25日から配信されている。試写会ではその初回となる「兆し」を実際に観ることになった。

 ただここ数年、普段は知りえないチーム内部のドキュメンタリーを映像として見せる手法は、欧州サッカーのマンチェスター・シティやプロ野球の横浜DeNAベイスターズなども取り組んでいる。

 語弊を恐れずに言えば、今回のドキュメンタリーシリーズは後発である。なのでどこか既視感があるんじゃないかと思っていた。

小林と元木コーチにほっこり。

 そもそも筆者は大型補強で各球団の主力を獲得したり、“僕ら(私たち)が球界の盟主なんだ!”という雰囲気が漂う巨人が、ちょっと苦手なのである。

 なので正直に言えば「このドキュメンタリー映像、自分が楽しめるものなんだろうか」と思いつつ、試写会へと足を運んだ。

 観終わっての率直な感想は……これがまた面白かったのである。

 巨人ファンから見れば、最高の映像だろう。

 セ・リーグ制覇を成し遂げた今シーズン前半戦のハイライトシーンとともに、本拠地東京ドームで、巨人の選手や関係者でなければ体験しえないアングルの映像が次々と流れる。何しろ原辰徳監督が試合前を過ごす監督室の内側なんて初めて見たし、ベンチ裏で小林誠司と元木大介内野守備兼打撃コーチが仲睦まじくトークしている様子には、なんだかほっこりとしてしまった。

【次ページ】 巨人の野心が感じられる作品に。

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